遺髪・ペットの毛・ファーストカットを納めるペンダント|小さな中空の設計と封じ方
髪や毛を納めるペンダントは、残したい量を先に決めるところから始まります。その量と壁の厚み、封じ方から、外形と大きさを決めていきます。
納める前に完全に乾かすこと、封じ方を製作可否と一緒に確認すること。この2つが要点です。
まず既製のロケットやカプセルで足りるかを見て、足りないときにオリジナルで作る、という順番がむだがありません。
既製品で足りるか、特注が向くか
| 状況 | 向く選択 |
|---|---|
| 急いで手元に置きたい | 既製のロケット・カプセル |
| 毛を外から見せたい | 既製のガラス入りロケット |
| 形に意味を持たせたい(肉球・イニシャルなど) | 特注 |
| 普通のペンダントに見える形にしたい | 特注(中空を外から見せない) |
| 家族で同じ形を人数分持ちたい | 特注(原型1つで人数分) |
特注が向かないのは、毛を見せたいとき、量が多いとき、今すぐ必要なときです。毛を見せる形はガラスや樹脂の領域で、金属の鋳造では作れません。
開閉するロケット全般の仕組みはロケットペンダントをオーダーするで説明しています。
納める量から部屋の大きさを決める
髪や毛は、束にすると意外に小さくなります。部屋を大きくすると本体も大きく重くなるため、先に量を決めます。
- 納める毛を糸で束ね、長さと束の太さを測る
- 毛は折りたたむか、短く切って納めるかを決める
- 部屋の内寸は束より少し大きい程度にする
- 残りの壁の厚みが鋳造できる厚みかを設計で確かめる
今回想定する一体鋳造では、空洞に外へつながる開口部を設け、そこから納めて封じます。空洞の内側を仕上げられるかは構造によるため、鋳造したままの面になる前提で考えます。
壁の厚みの考え方は3D CADの肉厚設計で詳しく説明しています。
湿気と乾燥:納める前の準備
毛は湿気を含んだまま密閉すると、においやかびの原因になります。金属の部屋は湿気を逃がさないので、納める前の乾燥が大切です。
- 洗った毛は完全に乾いてから納める(数日、風通しのよい場所に置く)
- 薄い紙で包んでから納めると、取り出すときに崩れにくい
- 油分の多い毛(ペット)は、紙で軽く押さえてから包む
- 入浴やプールで水に浸けない前提で使う
樹脂で固めて封入する方法もありますが、樹脂の仕様はGEMILYAで対応が確定していないため、ご希望があれば仕様を見てご案内します。
封じ方は3つ。熱を使う方法は向かない
| 封じ方 | 開けられるか | 扱い |
|---|---|---|
| ねじ式のふた | 開けられる | 機構部品のため、仕様によってはお受けできる |
| 栓をはめて接着 | 原則開けない | 接着剤で固定。やり直しの可否は接着剤と構造による |
| ロウ付け | 開けない | 熱で金属をつなぐ。毛を入れた後には向かない |
ロウ付けは高温の作業なので、毛を入れたあとに封じる方法としては向きません。開けない前提なら「栓をはめて接着」、あとで足したい・取り出したいなら「ねじ式」が候補です。
再開封のしやすさ、脱落の防止、水分の侵入への強さは、構造と部材で決まります。ねじ式はねじ山の精度が要り、鋳造だけでは密閉を保証しにくい部分です。既製のカプセル部品を本体に組み込む案も含めて、封じ方は製作可否と一緒に確認します。
遺骨を納める場合の封じ方と肉厚は遺骨・メモリアルペンダントのオーダー製作で扱っています。ペンダントではなく指輪にして毎日着けたい場合は、遺骨を納める指輪を作るで着ける指の選び方と部屋の大きさの決まり方を説明しています。
赤ちゃんの胎毛・へその緒を納める場合
赤ちゃんの胎毛(生まれて初めての髪)やへその緒を、身に着けて残したいというご相談もあります。残したい量や大きさによって、本体の大きさと納められるかが変わる点は、髪や毛と同じです。
- 胎毛:少量を束ねて紙で包み、小さな部屋に納める
- へその緒:乾いて硬いため、折らずに入る長さと太さを先に測る
- 時々開けて見返したいなら、開閉できるロケットの形も候補
へその緒は全部を納めず、保管ケースに残してほんの一部だけ納める方法もあります。開閉する形の考え方はロケットペンダントをオーダーするで説明しています。
胎毛と一緒に、抜けた乳歯も残しておきたいという場合は、乳歯を記念に残すジュエリーで歯の形を銀で写し取る方法と歯そのものを納める方法を比べています。
素材の選び方
毎日着けることが多いので、変色と重さで選びます。
| 素材 | 特徴 | 向く考え方 |
|---|---|---|
| SV925 | 扱いやすい。黒ずむが磨けば戻る | 手に取りやすい素材で作りたい |
| K18 / K10 | 変色しにくい。K10は少し硬い | 長く着けて、手入れを減らしたい |
| ステンレス | メッキ不要で変色しにくい。真鍮より硬く手間がかかるため費用は上がる傾向 | 汗や水に強くしたい |
中空のある形は、同じ外形の無垢の形より軽くなります。小さな部屋なら、本体の大きさは普通のペンダントとほとんど変わりません。
形と刻印
形に決まりはありません。形の例を挙げます。
- ペット:肉球・耳の形・シルエット。写真から輪郭を起こす
- 人:しずく・ハート・プレート。名前と日付を裏面に刻む
- 赤ちゃんのファーストカット:生年月日と名前。あとで兄弟の分を同じ形で足す
- バチカン(チェーンを通す輪)は本体と一体で作り、開口部から離す
刻印は空洞のない部分に入れます。壁の薄い場所に深い刻印を入れると肉厚が足りなくなるため、位置は設計の段階で決めます。チェーンは既製品を組み合わせます。
GEMILYAに頼む場合
中空のある形は、仕様によってはお受けできます。手作業や部品の手配が増えるぶん費用がかかるため、形を伺って費用とあわせてご案内します。
- 納めたいもの(髪・毛)の量と、希望の形・素材を送る
- 部屋の大きさと封じ方の候補(ねじ式か接着か)を決め、製作可否とあわせて確認する
- 3Dデータで部屋と壁の厚みを画面上で確かめ、必要なら原型(出力物)でも確認する
- 仕様と部品の手配内容が確定してから納期をご案内する。部品の手配があると、通常の目安より日数がかかることがある
毛を納める作業はお手元で行う想定です。オリジナルの形は1個でも原型設計費(多くは税込22,000〜44,000円程度・初回のみ・デザインごと)がかかり、1個ごとの製作費は内容を伺ってからご案内します。1個からの進め方は特注・小ロット製作をご覧ください。
まとめ
- 残したい量を先に決め、量・壁の厚み・封じ方から外形を考える。既製品で足りるかを先に見る
- 完全に乾かし、紙で包んでから納める
- 封じ方は「ねじ式(開けられる)」「接着(原則開けない)」が候補。ロウ付けは毛を入れた後には向かない
- 一体鋳造では開口部が要り、内側の仕上げは構造による。壁の厚みは設計で確かめる
- 中空とふたは仕様によってはお受けでき、形を伺って費用と納期を案内する
納めたい毛の量と形の希望を、写真や手描きでも構いませんのでご相談ください。
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