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GEMILYA
素材・製法約6分で読めます

遺骨を納める指輪を作る|どの指に着けるか、中空の設計と素材の選び方

遺骨を納める指輪を、どの指に着けるかに決まりはありません。作業や家事で物に当たりにくく、水に触れる機会の少ない指を選ぶのが実用の答えで、利き手でない手の薬指や中指が候補になりやすいのはこのためです。

指輪はペンダントより納められる量が小さく、水や衝撃を受けやすいため、納めたい量が多い・水仕事が多い・指の太さが変わりやすい人は、指輪よりペンダントが向きます。

中空の部屋のある指輪は、仕様と納めたい量によってお受けできるかが変わります。作ると決めたら、部屋の大きさ・封じ方・地金の3つを順に決めます。

どの指に着けるかの考え方

指ごとの意味づけは地域や宗教で違い、遺骨の指輪について決まった作法はありません。実用の観点で選ぶ方が、長く着け続けられます。宗教的な考え方で迷う点は、家族や寺社に相談してください。

観点 考え方
水に触れる機会 封じ方にかかわらず、入浴や水仕事のときは外す前提。外しやすい指かも考える
物への当たりやすさ 利き手の人差し指・小指は物に当たりやすい
関節の太さ 関節が太い指は着け外しがしにくい。号数は関節を通る大きさで決める
結婚指輪との重ね 重ねるなら幅と厚みをそろえる

部屋のある指輪は、中空部分を切ってつなぐサイズ直しがしにくいため、号数の変わりにくい指を選ぶことも大切です。号数は朝夕で測って伝えます。

重ねて着ける1本は、結婚指輪の幅と高さに合わせて決めます。

先に決める:指輪に向くか、ペンダントが向くか

指輪にしてから困ることを、先に除いておきます。

  • 納めたい量が多い:指輪の部屋は小さい。量を優先するならペンダント
  • 水仕事・手洗いが多い:指輪は水を受けやすい。外す回数が増えるなら首に下げる方が続く
  • 妊娠・産後・病気で指の太さが変わる見込み:号数が落ち着くまで待つか、ペンダントにする
  • 既製品の遺骨リングで形と量が足りる:作らなくてよい
  • 外からは普通の指輪に見せたい、刻印や石を自分で決めたい:1本の特注が向く

ペンダントにする場合の中空の設計は遺骨・メモリアルペンダントのオーダー製作、髪や毛を納める小さな部屋は遺髪・ペットの毛・ファーストカットを納めるペンダントで扱っています。指輪とペンダントを両方作り、場面で使い分ける方もいます。

納める部屋の大きさは、幅と厚みで決まる

指輪の部屋は、腕(指を囲む部分)の厚みの中に作ります。幅が広く、厚みのある指輪ほど部屋を大きくできます。

指輪の形 部屋の作り方 注意点
細い平打ち・甲丸 部屋はごく小さい。ひとかけら程度 壁が薄くなりすぎると鋳造できない
幅広の平打ち 内側に沿った細長い部屋 幅広は関節を通しにくい
正面に厚みのある形(印台など) 正面の厚みの中に部屋を作る 重く、正面が回りやすくなる

鋳造(溶かした金属を型に流す製法)で一体に作る指輪では、完全に閉じた空洞は作れません。部屋には外につながる開口部を設け、そこから納めて封じます。部屋の内側は手が届かず磨けないため、鋳肌(鋳造したままの面)に近い状態になります。別の部品を組み合わせて部屋を作る形もあり、どちらにするかは仕様で決めます。

壁の厚みは、地金と形で必要な寸法が変わります。部屋を大きくしたい気持ちと、壁を薄くできない制約の間で、3Dデータの段階で寸法を決めます。刻印は部屋のない部分に入れます。

封じ方と、水の扱い

開口部の閉じ方は、開けられるかどうかで分かれます。

封じ方 あとで開けられるか 扱い
ねじ式のふた 開けられる 機構部品のため、仕様によってはお受けできます。手配と組み立てのぶん費用がかかります
栓をはめて接着 原則開けない 構造が単純。接着の方法は形に合わせて相談
樹脂で固める 開けない 樹脂の扱いは仕様を見てご案内します

ロウ付け(金属を熱で接合する方法)は高温の作業のため、当社では遺骨を納めたあとの封じ方には使いません。開口部を金属で閉じるなら、納める前に部品を作っておく設計にします。

どの封じ方でも、防水をお約束することはできません。ねじの精度やふたの密閉性は鋳造だけでは保証しにくく、入浴・温泉・プールでは外す前提で使います。日常の手洗い程度でも、長く使ううちに水分が入る可能性はあります。地金ごとの水への強さはアクセサリーをつけたままお風呂・温泉・プールは大丈夫?にまとめています。

地金6種の選び方

当社で本体を作れる地金は、SV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスの6種です。毎日着ける指輪では、変色のしにくさと重さで選びます。

地金 向く考え方 気をつけること
Pt900 白い色が変わりにくく、長く手元に置きたい 重く、やわらかめなので細かい傷は付く。費用は別途お見積もり
K18 深い金色が長く保たれる 費用は別途お見積もり
K10 K18より淡い色で硬さがある 汗や温泉で色が変わることがある
SV925 手に取りやすく、いぶしで陰影を出せる 黒ずみが出るため手入れが要る
ステンレス メッキ不要で変色しにくい 真鍮より硬く手間がかかるため費用は上がる傾向
真鍮 色味を楽しむ用途 変色しやすく、毎日着ける用途には向きにくい

「プラチナにすべきか」とよく聞かれますが、答えは着け方で変わります。地金の変色しにくさと、部屋の防水性は別の話です。毎日着けるならPt900・K18・ステンレスのように変色しにくい地金が続けやすい選択ですが、水濡れや着け外しの条件は、地金にかかわらず封じ方に合わせます。地金の特徴はPt900のページで確認できます。

ペットの遺骨を納める場合

犬や猫の遺骨を納める指輪も、同じ考え方で検討します。

  • 肉球や耳の形を正面のモチーフにし、その厚みの中に部屋を作る
  • 名前と一緒に過ごした日付を、部屋のない部分に刻印する
  • 納めたい量を先に確かめ、必要な部屋の大きさと壁の強さを検討する

ペットの場合も、分骨や保管の作法は家族で話し合って決めます。

当社で作る場合

中空の部屋のある指輪は、仕様によってはお受けできます。部屋の設計と封じ方の手作業が増えるぶん費用がかかるため、納めたい量と着ける指を伺って、費用とあわせてご案内します。

  1. 着ける指の号数(朝夕)、納めたい量、希望の地金を送る
  2. 3Dデータで部屋の大きさ・壁の厚み・開口部の位置を確認する
  3. 封じ方と必要な部品を決め、納める手順と誰が納めるかもこの段階で確認する
  4. 製作・検品ののち納品

オリジナルの形は1本でも、原型設計(初回のみ・デザインごと。多くは税込22,000〜44,000円程度で、形の細かさで変わります)と、原型の3D出力(別の費用・初回のみ)がかかります。1本ごとの製作費はこれとは別に、地金・重さ・封じ方で変わるため、内容を伺ってからご案内します。K18・Pt900は別途お見積もりです。1個からの進め方は特注・小ロット製作をご覧ください。

まとめ

  • 着ける指に決まりはない。物に当たりにくく、水に触れる機会の少ない指を選ぶ
  • 量が多い・水仕事が多い・指の太さが変わる見込みなら、ペンダントが向く
  • 部屋の大きさは幅と厚みで決まり、開口部が要る。内側は鋳肌に近い状態
  • 封じ方はねじ式(相談)・接着・樹脂。どの方法でも防水は約束できず、入浴や水仕事では外す
  • 変色しにくい地金は続けやすいが、水濡れの条件は地金ではなく封じ方で決まる

着ける指と納めたい量、希望の地金をご相談ください。部屋の大きさと封じ方を、形とあわせてご案内します。

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