遺骨・メモリアルペンダントのオーダー製作|中空の設計と素材の選び方
遺骨や遺灰を納めるメモリアルペンダントは、オリジナルの形で1個から作れます。内側に空洞を持たせた形を3D CADで設計し、鋳造で形にします。
空洞のある形で大切なのは、肉厚と開口部の2点です。開口部を閉じるねじ式のふたなどは機構部品にあたるため、形が決まった段階で個別にご相談ください。
素材はSV925かK18が選ばれることの多い用途で、名前や日付の刻印も入れられます。ペットの遺骨を納める形も同じ考え方で設計できます。
メモリアルペンダントとは
メモリアルペンダントは、遺骨や遺灰、遺髪などの一部を納めて身に着けるペンダントです。自宅などで故人を偲ぶ「手元供養」の一つとして選ばれています。
形に決まりはありません。よく作られる形を整理します。
- 筒形やカプセル形:内部に空洞を持たせ、上部にふたを設ける
- 板状のモチーフ:厚みの中に小さな空洞を設ける
- ハート・しずく・星などの形:外形を故人やペットの思い出に合わせる
- 石を留めた形:誕生石などを添えて、見た目は通常のペンダントに近づける
遺骨を自宅で保管したり、身に着けたりすることについて、法律面で不安を持つ方もいます。当社は法律の専門家ではないため、扱いに迷う場合は、自治体や葬祭の専門家にご確認ください。
見た目を通常のジュエリーと変わらない形にすることで、日常でも着けやすくなります。
中空の設計:肉厚と開口部
鋳造は、溶かした金属を型に流し込む製法です。完全に閉じた空洞は作れないため、空洞には必ず外につながる開口部が必要になります。
空洞のある形で決める点を整理します。
| 決める点 | 考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 壁の肉厚 | 空洞のまわりに、鋳造できる厚みを残す | 薄すぎると鋳造の欠陥や変形が出る |
| 開口部の位置 | バチカン側(上部)に置くのが一般的 | 着けたときに開口部が下を向かない位置にする |
| 開口部の大きさ | 納めるものが入る寸法にする | 大きいほど、閉じる部品の設計が難しくなる |
| 空洞の容量 | 納める量に合わせて決める | 容量を増やすと本体が大きく重くなる |
肉厚は、素材と形で必要な厚みが変わります。空洞を大きくしたい気持ちと、壁を薄くできない制約の間で、寸法を決めていきます。
肉厚の考え方はジュエリー3D CADの肉厚設計で詳しく説明しています。
空洞の内側は、鋳造後に磨くことができません。内側の表面は鋳肌(鋳造したままの面)になることを、あらかじめご了承ください。
開口部を閉じる部品はご相談ください
納めたあとに開口部を閉じる方法は、いくつかあります。ねじ式のふたやはめ込み式の栓は、機構部品にあたるため、対応は形が決まった段階で個別にご相談ください。
閉じ方の考え方を整理します。
| 閉じ方 | 特徴 | 扱い |
|---|---|---|
| ねじ式のふた | 開け閉めできる | 機構部品のため、ご相談ください |
| はめ込み式の栓 | 構造は単純だが、抜け止めの工夫が必要 | 機構部品のため、ご相談ください |
| ロウ付けで封じる | 金属で接合し、開けられなくなる | 納めたあとに封じる前提で設計する |
ロウ付けで封じる方法は、あとから開けられません。一度納めたら開けない前提かどうかを、最初に決めておくと設計が進めやすくなります。
ねじの精度や、ふたの密閉性は、鋳造だけでは保証しにくい部分です。市販の既製部品を組み合わせる方法も含めて、形に合わせてご案内します。
素材の選び方:SV925とK18
当社で本体を作れる地金は、SV925・K18・K10・Pt900・真鍮の5種です。メモリアルペンダントでは、長く身に着けることを前提に、SV925かK18が選ばれることが多い用途です。
| 素材 | 特徴 | 向く考え方 |
|---|---|---|
| SV925 | 扱いやすく、いぶし仕上げで陰影を出せる | 手に取りやすい素材で作りたい |
| K18 | 変色しにくく、深い金色が長く保たれる | 毎日着けて、長く手元に置きたい |
| K10 | K18より淡い金色で、硬さがある | 傷のつきにくさを優先したい |
空洞のある形は、同じ外形の無垢の形より軽くなります。地金代は重さに素材と相場が掛かって決まるため、空洞の分だけ地金は少なくなります。
素材の詳細はシルバー925のページとK18のページで確認できます。
名前・日付の刻印
名前や命日、短い言葉を刻印する方が多くいます。当社では、レーザー刻印と、原型に彫り込む方法の2つがあります。
| 方法 | 向く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| レーザー刻印 | 名前、日付、短い言葉 | 細かい文字も入れやすい |
| 原型に彫り込み | 十字やモチーフなど、形の一部として入れるもの | 追加で作るときも同じものが入る |
刻印は、空洞のない部分に入れます。壁の薄い部分に深い刻印を入れると、肉厚が足りなくなるため、刻印の位置は設計の段階で決めておきます。
刻印の方法ごとの違いはアクセサリー刻印の種類にまとめています。
ペットの遺骨を納める場合
犬や猫などのペットの遺骨を納める形も、同じ製法で作れます。設計の考え方は、人の場合と変わりません。
- 肉球や耳の形など、ペットの思い出に合わせた外形にできる
- 名前と、一緒に過ごした日付を刻印できる
- 手元にある首輪のチャームなど、権利のある現物は3Dスキャンでデータ化して形の参考にできる
- 空洞の容量は、納める量に合わせて小さくもできる
バチカンとチェーン
メモリアルペンダントは、毎日着ける方が多いアイテムです。バチカン(チェーンを通す輪)の内寸と強度は、通常のペンダントより余裕を持たせます。
- 使うチェーンの太さと留め具の大きさを先に決める
- バチカンは本体と一体で作り、つなぎ目を減らす
- 空洞のある本体は、開口部がバチカンと近くなるため、位置関係を図面で確認する
- チェーンは既製品を仕入れて組み合わせる
チェーンが通らない失敗を防ぐ測り方はバチカンのサイズで説明しています。
進め方と納期
流れは、通常のオーダーと同じです。
- 参考画像、素材、納めたいものの種類と量を送る
- 見積を確認し、承認する
- 原型(3Dデータ)で空洞と開口部の寸法を確認する
- 試作を確認し、承認する
- 製作・検品ののち、納品
納期は、仕様が確定してからおよそ4週間が目安です。オリジナルの形は1個でも設計・原型の費用がかかります。
まとめ
- 空洞のある形は、壁の肉厚と開口部の位置・大きさを先に決める
- 完全に閉じた空洞は鋳造できないため、開口部は必ず必要になる
- ねじ式のふたなどの機構部品は、形が決まった段階で個別に相談する
- 素材はSV925かK18が選ばれやすく、名前や日付の刻印を入れられる
- ペットの遺骨も同じ考え方で設計でき、1個から作れる
形の希望や、納めたいものの量が決まっていなくても構いません。無料相談から、今の状況をそのままお送りください。