PVDコーティングとは|金メッキとの違いとアクセサリーでの選び方
PVDコーティングは、真空の中で金属などを蒸発させ、アクセサリーの表面に薄い膜として付ける加工です。PVDは「物理蒸着」を意味する英語の頭文字です。
金メッキとの大きな違いは、膜の付け方です。メッキは液の中で電気を流して金属を付け、PVDは真空の装置の中で付けます。
「PVDは剥がれない」と書かれることもありますが、どちらも表面の薄い膜です。剥がれにくさは膜の種類だけでなく、下地の素材や形、着け方で変わります。
PVDと金メッキの違い
まずは仕組みと見た目の違いを並べます。
| 項目 | PVDコーティング | 金メッキ(電気メッキ) |
|---|---|---|
| 膜の付け方 | 真空の装置の中で付ける | 液に浸して電気で付ける |
| 金色の出し方 | 金を含まない膜で出すこともある | 金を含む膜で出す |
| よく見る下地 | ステンレス | シルバー925・真鍮 |
| 膜の硬さ | 一般に硬いとされる | 柔らかめで、こすれに弱い |
PVDの膜の材料には、金属そのものだけでなく、金属の化合物も使われます。PVDで金色に見えても、金が含まれているとは限りません。
剥がれにくさは条件で変わる
PVDの膜は硬いとされ、こすれに強いと説明されることが多い加工です。ただし、膜の厚さや材料は加工先や製品によって違います。
次の条件は、PVDでもメッキでも膜の減り方に影響します。
- 下地の素材と、下地の磨き方
- 角や出っ張りなど、こすれが集中する形
- リングの手のひら側のように、毎日物に当たる場所
- 汗や化粧品が残ったままの保管
「PVDだから何年もつ」と一つの期間では言えません。メッキの剥がれ方と長持ちさせる設計はメッキの剥がれ対策と寿命の考え方で説明しています。シルバー925に金メッキをした品で、こすれた所から銀色や黒ずみがどの順に見えてくるかはシルバーに金メッキしたアクセサリーで、汚れとの見分け方とあわせて整理しています。
「PVD加工」の表示で確かめること
商品の表示に「PVD」とあっても、それだけでは何の膜かが分かりません。買う側でも作る側でも、次の点を確かめます。
- 本体(下地)の素材は何か
- 膜は金を含むのか、金色の別の材料か
- 表示の「ゴールド」が色の名前か、素材の名前か
作る側は、色の名前と素材の名前を混同しない表示にしておくと、問い合わせや誤解を防げます。書き方はアクセサリーの素材表示をご覧ください。
金の層の厚みで分けられる素材には、ゴールドフィルドもあります。違いはゴールドフィルドとメッキの違いにまとめています。
金属アレルギーとの関係
PVDもメッキも、下地の金属を膜で覆う加工です。膜があるあいだは、下地が肌に触れにくくなります。
ただし、膜がすり減れば下地が出てきます。PVDやメッキの有無だけで「アレルギーが出ない」とは言えません。
- 肌に当たる面の下地の素材を確かめる
- こすれやすい場所に膜が残るかを考える
- 心配が強いなら、膜に頼らない地金を選ぶ
真鍮での考え方は真鍮で金属アレルギーは出る?で詳しく説明しています。
PVDとメッキ、どちらを選ぶか
迷ったときは、下地の素材と、金を含むことが必要かで考えます。
| 作りたいもの | 候補 |
|---|---|
| ステンレス本体を金色や黒にしたい | PVDを検討 |
| シルバー925・真鍮を金色にしたい | 金メッキ |
| 金を含む素材として売りたい | 金メッキ、またはK18・K10の地金 |
| 色を付けずに変色を抑えたい | ステンレス本体(メッキ不要) |
金色の見た目より「金でできていること」が大事なら、膜ではなくK18やK10の地金で作るほうが確実です。
PVDを選ばない方がよい場合
PVDが合わない場面もあります。
- 金を含むことを商品の価値として打ち出したい
- 一部だけ色を変えたい(部分的に塗り分ける指定)
- 数個だけ作りたく、日程に余裕がない
- 下地がシルバー925や真鍮で、メッキで目的の色が出せる
PVDは装置を持つ加工先にまとめて出す処理のため、少ない数では引き受け先や日程の確認が要ることがあります。一部だけ色を変える方法は部分メッキでバイカラーのアクセサリーを作るをご覧ください。
GEMILYAに頼む場合
当社で対応しているメッキは、K24・K23・K18・青金・ピンク・オレンジピンク・ロジウム・シルバー・ホワイトゴールド・ルテニウムの10種類です。ブラックロジウムは時期によってお受けできるかが変わるため、確認のうえでご案内します。種類と色の違いはジュエリーのメッキ種類一覧に載せています。
PVDコーティングも、仕様によってはお受けできます。ただしメッキより工程と手配が増えるため、そのぶん費用がかかります。本体の素材と希望の色を伺い、PVDとメッキのどちらが合うかを費用とあわせてご案内します。
- 本体の素材:SV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレス
- シルバー925・真鍮の色付けは、上の10種類のメッキから選べる
- ステンレスの本体はメッキをかけなくても変色しにくく、色を付けない選択もできる
- 一部だけ色を変える部分メッキにも対応
まとめ
- PVDは真空の中で薄い膜を付ける加工で、液の中で付けるメッキとは仕組みが違う
- PVDで金色でも、金を含むとは限らない
- 剥がれにくさは、膜の種類だけでなく下地・形・着け方で変わる
- ステンレス本体ならPVD、シルバー925・真鍮ならメッキが候補になりやすい
作りたい色と本体の素材が分かれば、どの加工が合うかを一緒に整理します。無料相談からご連絡ください。
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