金属パーツをオーダーで作る|ハンドメイド用オリジナルパーツの作り方
ハンドメイド用の金属パーツは、個人でもオーダーで作れます。既製のパーツでは出せない形を、自分の作品の部品として持てるようになります。
ロストワックス鋳造なら、1個の特注(一点もの)から相談できます。オリジナルの形は1個でも原型データの制作費がかかるため、予算と必要な数をあわせて検討します。
この記事では、パーツの設計で決めること、素材とメッキ、数量の考え方を順に紹介します。
オリジナルパーツが向いている場面
既製品で足りるものまで作る必要はありません。作る価値があるのは、次のような場面です。
- 作品の顔になるパーツ: ブランドのモチーフ、ロゴ入りのチャーム
- 既製品にない大きさや厚み
- 同じ形を何度も使う定番の部品
- ほかの作家と差をつけたい部分
丸カン(部品をつなぐ輪)や引き輪(開閉できる留め具)のような汎用の金具は、既製品を使うのが一般的です。パーツの名前と役割はアクセサリーパーツの名称で確認できます。
設計で決めること
パーツは作品に組み込むものなので、つなぎ方まで考えて形を決めます。
| 決めること | 内容 | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 大きさと厚み | 縦・横・厚みの寸法 | 薄すぎて曲がる |
| つなぎ方 | 穴、カン、ピンを通す部分 | 穴が小さく丸カンが通らない |
| 裏側 | 平ら、くぼみ、刻印 | 取り付け位置と重さのバランスが合わず傾く |
| 向き | どちらを上にして下げるか | 下げると裏返る |
穴の大きさは、使う丸カンやチェーンの太さに合わせます。細かい肉厚(金属部分の厚さ)の考え方は3D CADの肉厚設計が参考になります。
設計シートの記入例
依頼のときは、次のように書き出すと伝わりやすくなります。数値は説明用の例です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| パーツの役割 | ピアスの下に下げる花のチャーム |
| 大きさ | 縦12mm・横10mm・厚み1.5mm |
| つなぎ方 | 上部に丸カンを通す穴を1つ |
| 素材と色 | 真鍮にゴールド系のメッキ |
| 使用予定 | 1作品に1個、作る作品数の見込み |
手描きの図や参考写真を添えると、寸法の読み違いが減ります。
素材とメッキの選び方
当社で本体を作れる地金は、SV925・K18・K10・Pt900・真鍮の5種類です。部品の色味や仕上げに合わせて、SV925や真鍮などを検討できます。
- SV925: 白い銀色。いぶしで模様を際立たせやすい
- 真鍮: 金色に近い。メッキで色を変えることもできる
- K18・K10・Pt900: 高価格帯の作品の顔になる部品に
ステンレスやチタンで本体を作ることは、当社ではできません。素材の特徴は真鍮の製作ページやSV925の製作ページをご覧ください。
数量の考え方
費用は、原型データの制作費と、1個ごとの製作費×個数で決まります。数量を増やして下がるのは、主に原型データの費用を個数で割った分です。使う予定のない数量まで増やさず、必要数と総額を比べましょう。
- まず使う数を見込んで、数量を2〜3通りで見積もる
- 最初はサンプルで大きさと付け心地を確かめる
- 同じ仕様の追加製作は、保管中の原型データで作る
当社では原型データを最終のご発注から6か月保管し、期間内の同じ仕様なら追加の原型代はかかりません。1個ごとの研磨やメッキの費用は、数量で大きくは変わらない点も覚えておきましょう。
届いたパーツで確かめること
パーツは、作品に組み込んで初めて良し悪しが分かります。届いたら、単体で見るだけでなく実際に組んで確かめましょう。
- 丸カンやチェーンが穴にきちんと通るか
- 下げたときに正しい向きで止まるか
- 他のパーツと並べて色味がなじむか
- 着けたときに肌に当たる角がないか
気になる点は、写真と一緒に具体的に伝えると次の製作に反映しやすくなります。
確かめた結果は、次の追加製作の基準になります。合格とした1個を手元に残しておくと、比べる見本として使えます。
権利とデザインの注意
オリジナルパーツは、自分で考えた形か、権利者の許可がある形で作ります。キャラクターや他社のロゴを、無断でパーツにすることはできません。
- 自分で描いたモチーフ: 依頼できる
- 自社やブランドのロゴ: 権利を持っていれば依頼できる
- 他人の作品やキャラクター: 権利者の許可が必要
判断に迷う場合は、弁理士などの専門家に相談してください。考え方はデザインの権利の基礎で整理しています。
まとめ
- ハンドメイド用の金属パーツは個人でもオーダーできる
- 汎用の金具は既製品、作品の顔になる部分をオリジナルに
- 大きさ・つなぎ方・裏側・向きを設計シートに書き出す
- 素材はSV925や真鍮などから、部品の色味に合わせて選ぶ
- 1個でも原型データの制作費がかかるので、必要数と総額を比べて決める
パーツの形がまだラフな段階でも大丈夫です。手描きの図を添えて、LINEかメールフォームからご相談ください。