販売価格が低めのオリジナルアクセサリーは作れる?|上代から逆算した現実的な作り方
販売価格が低めのオリジナルアクセサリーは、作り方を選べば作れます。ただし、形を一から鋳造で作り、少ない数だけ売る組み立ては、低めの価格帯に合わない場合があります。
理由は、初回だけかかる原型設計などの費用が、少ない個数で割ると1個あたりに重く乗るからです。数量が増えると、この初回だけの費用は1個あたりに分散されます。
売りたい価格が先に決まっているなら、仕様もそこから逆算します。計算のしかたと、価格に合わせた作り方の選択肢を順に見ていきます。
向いているケースと、鋳造をやめたほうがよいケース
まず、上代(小売価格)が低めの商品で、オリジナルの鋳造が合うかどうかを分けます。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 同じ形を長く売り続ける予定がある | 向いている |
| 1つの形を色違い・素材違いで展開できる | 向いている |
| 小さなパーツ1つだけをオリジナルにする | 向いている |
| 季節ごとに形を入れ替え、各10個ほど売る | 向かない場合が多い |
| 価格が近い既製品と横並びで比べられる | 向かない場合が多い |
下の2つに当てはまるなら、金属で一から形を作らない選択も検討してください。既製パーツの組み合わせや、樹脂・布など別の素材のほうが、価格と品数を両立しやすいことがあります。
上代から逆算するとどうなるか
逆算の順番は、上代から販売にかかる費用と利益を引き、残りを製作にかけられる上限とする形です。手順の詳細はグッズの原価と上代の決め方にまとめています。
ここでは、初回だけかかる費用が1個あたりにどれだけ乗るかを計算します。初回だけの費用は、次のように項目が分かれます。
| 初回だけかかる費用 | かかり方 | 目安(税込) |
|---|---|---|
| 原型設計 | デザインごと。形の細かさで変わる | 多くは22,000〜44,000円程度 |
| 原型(レジン出力) | データから形を出す工程。データ制作とは別の費用 | 内容を伺ってご案内 |
| 量産用ゴム型 | 同じ形を2個以上作るとき | 6,000円程度 |
※目安は仕様で変わります。上の3つは別々の項目で、表は総額ではありません。1個ごとの製作費と地金代は、この上に別にかかります。
計算のしかたは、初回だけの費用の合計 ÷ 作る個数 = 1個あたりに上乗せされる額です。自分の数字を入れて、次の順に計算してみてください。
- 原型設計費 ○円 + 原型 ○円 + ゴム型 ○円 = 初回だけの費用 △円
- △円 ÷ 作る個数 □個 = 1個あたりに上乗せされる額 ◇円
- 上代 − 販売の費用 − 利益 = 製作にかけられる上限 ☆円
- ☆円 − ◇円 = 1個ごとの製作費と地金代に残せる額
作る個数が少ないほど◇円は大きくなり、初回だけの費用で☆円を使い切ってしまうことがあります。個数を増やせば◇円は小さくなりますが、その分の在庫を先に抱えることになります。
何個売れば初期費用を回収できるかは、初期費用の回収の考え方で詳しく計算しています。
価格を保ったまま作る5つの方法
上代を変えずにオリジナル性を出すには、初期費用を減らすか、1つの初期費用で売る数を増やすかのどちらかです。
既製パーツに、小さなオリジナルを1つだけ足す
チェーン・金具・枠は既製パーツを使い、ブランドの顔になるチャームやタグだけを作ります。小さな形ほど重さが軽く、地金代も抑えやすくなります。切り替えの目安は既製パーツでブランドを始めてもいいかで判断表にしています。
真鍮で作り、メッキで色を出す
真鍮は、貴金属に比べて地金代を抑えやすい素材です。金色・銀色はメッキで表現します。変色や肌への配慮は、商品説明で正確に伝える必要があります。
型を1つにして、色違いで品数を増やす
1つの原型からメッキの色や仕上げを変えて展開すれば、初期費用は1回分で済みます。
- ゴールド色・シルバー色の2色展開
- 鏡面仕上げとつや消し(マット)の2種類
- チェーンの長さ違い
同じ型で素材そのものを変える進め方は、形によって変わるためご相談ください。
受注生産にして在庫を持たない
注文を受けてから作れば、売れ残りの在庫は抱えません。そのかわり、お届けまでの日数を先に伝える必要があります。進め方はアクセサリーの受注生産のやり方で紹介しています。
価格帯を上げて、ブランドを組み直す
どうしても形を一から作りたいなら、上代を上げる選択肢もあります。素材をシルバー925にする、刻印や仕上げで手をかけるなど、価格に見合う理由を商品に持たせます。
計算する前にそろえる数字
逆算の精度は、次の数字がどれだけ具体的かで決まります。
- 売りたい上代(税込か税抜かをそろえる)
- 販売先の手数料・決済手数料・送料の負担
- 最初に作る個数と、半年で売れそうな個数
- 品数(形の数)と、色違いで済ませられるか
- 大きさと、おおよその重さ
1個あたりの原価の分け方は原価率と原価計算で確認できます。数字がまだ固まっていなくても、発注仕様シートの項目に沿って書き出すと、相談の段階で判断がしやすくなります。
まとめ
- 販売価格が低めでも、作り方を選べばオリジナルアクセサリーは作れる
- 形を一から作り少数だけ売る組み立ては、初期費用が1個あたりに重く乗りやすい
- 数量が増えると初回だけの費用は分散されるため、初期費用の割り方が鍵になる
- 既製パーツ併用・真鍮+メッキ・型1つで色違い・受注生産が現実的な選択肢
- 合わないなら、上代を上げてブランドを組み直すことも検討する
売りたい価格と想定の個数が決まっていれば、その条件で鋳造が合うかどうかからご相談いただけます。
この記事の内容で、製作を考えている方へ
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