本文へ移動
GEMILYA
素材・製法約6分で読めます

金属のかんざしをオーダーで作る|U字・二股・一本の形と長さの制約

金属のかんざしをオーダーで作るなら、頭の飾りを鋳造で作り、髪に挿す長い軸は「分割して接合する」か「既製の軸と組み合わせる」のどちらかで考えるのが現実的です。当社で原型を一体で出力できる範囲は90×90×90mmが目安で、一般的なかんざしの軸はこの範囲に収まらないことが多いためです。

形はU字・二股・一本の3つが基本で、髪の量と結い方で向き不向きが分かれます。金属は木や樹脂より重いので、飾りを大きくするほど髪が引っ張られます。

既製の金属かんざしで足りる場合や、木や樹脂の方が向く場合も先に整理します。

先に決める:金属で作るか、既製品や他の素材で足りるか

かんざしは、金属で作らない方がよい場合がはっきりしています。

状況 向く選び方
浴衣や祭りで気軽に使いたい 既製品。木・樹脂・真鍮の既製かんざしで足りる
髪が細く量が少ない 軽い素材か、小さな飾りの既製品
手持ちのかんざしの軸が曲がった・飾りが取れた 購入店か修理店に相談
家紋・誕生石・名前など自分だけの飾りにしたい 飾りを金属で1個の特注
教室や団体で同じ飾りを人数分そろえたい 飾りを小ロットで作り、軸は共通の既製品

髪の量が少ない人ほど、金属の重さが負担になります。その場合は、金属で作るとしても飾りを小さく、軸は細く軽い既製品にします。

当社では手持ちのかんざしの修理を行っていません。曲がりや取れた飾りの付け直しは、購入店か修理店に相談してください。

U字・二股・一本の違い

形は髪の留め方で選びます。飾りは同じでも、軸の形で使える髪型が変わります。

形 留め方 向く髪・髪型
U字 髪をすくって挿し、2本の足で挟む 量が多めの髪。夜会巻きやお団子
二股 2本の足で挟む。U字と同じ形を指す呼び方もある 量が普通〜多め。和装の結い髪
一本 1本の棒を髪の束に通す 棒だけで髪をまとめる使い方

呼び方は店や地域で違うため、形は図か写真で確かめます。挟む力は材質・足の太さ・形・結い方で変わり、寸法だけでは決まりません。使う髪型を1つ決め、その髪で実物の寸法を試して確かめるのが近道です。

一本挿しは、棒そのものが髪を支えるため、長さと太さが使い勝手を左右します。軸を全部金属にするか、飾りだけ金属にするかで、重さと費用が大きく変わります。

一体で作れる大きさの目安と、長い軸の作り方

当社で原型を一体で出力できる範囲は90×90×90mmが目安です。収まるかは形と出力する向きで変わるため、形を伺って判断します。髪に挿す軸は、この範囲を超えることが多い部分です。

作り方 内容 向く形
飾りだけ鋳造、軸は既製品 飾りの裏に既製の軸を取り付ける U字・二股・一本のどれでも
分割して接合 軸を2つ以上に分けて鋳造し、つなぐ 軸まで同じ素材でそろえたいとき
全体を出力範囲に収める 短い飾りかんざしにする 小さなお団子用

軸を既製品にする場合、既製の軸と飾りの取り付けは、仕様によってはお受けできます。既製の軸の手配や取り付けの手作業が増えるぶん費用がかかるため、使いたい軸の形を伺って、費用とあわせてご案内します。

分割して接合する場合も、つなぐ位置と方法は形を見て決めます。軸のつなぎ目は力がかかる場所なので、細い軸では避けたい作り方です。細い軸を長く作りたい場合は、既製の軸を組み合わせる方が無理がありません。

ヘアアクセサリー全般で「留める金具は既製品、飾りだけ金属」とする考え方は、ヘアアクセサリーの金属パーツをオリジナルで作るで説明しています。

飾りや金具だけを鋳造し、長い部分は既製品に任せる考え方は、ウォレットチェーンでも同じです。フックやコンチョだけを特注する進め方はウォレットチェーン・キーフックをシルバー925で作るにあります。

重さと先端:髪と頭の安全

かんざしは髪に挿すもので、先端が頭皮に近づきます。アクセサリーの中でも、重さと先端の形に気を配る必要があります。

  • 太さ4mm・長さ150mmの丸棒をSV925で作ると、比重10.4で計算して約20g。軸だけでこの重さになる(説明用の計算)
  • 飾りを足すほど重くなり、髪が引っ張られて下がる
  • 先端は尖らせず丸める。頭皮に当たる前提で形を決める
  • 飾りの縁や透かしは、髪が引っかからないようになめらかにする

重さ・先端の形・軸の曲がりにくさをあわせて検討します。軸を細くすると軽くなる一方で曲がりやすくなるため、太さと飾りの厚みは形ごとに決めます。重さと着け心地の考え方はアクセサリーの重さと着け心地の設計にまとめています。

子どもの七五三や発表会に使う場合は、先端を特に丸くし、大人が着け外しをして目を離さないでください。外れやすい小さな飾りは避け、子ども用製品の安全基準も確認してください。

素材と金属アレルギー

当社で本体を作れる地金は、SV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスの6種です。かんざしでは次の使い分けが考えやすい組み合わせです。

素材 かんざしでの使い方
SV925 飾りの定番。黒ずむが磨けば戻る
真鍮+メッキ 色を選べて軽めに作りやすい。メッキは擦れて減る
ステンレス メッキ不要で変色しにくい。硬く、費用は真鍮より上がる傾向
K10・K18 小さな飾りで。重さと地金代が上がる

金属アレルギーがある人は、素材を選んでも反応が出ないとは言い切れません。SV925にも銀以外の金属が含まれています。どの金属に反応するかは医師に確かめ、その金属を含まない素材を選ぶのが順序です。素材ごとの考え方は金属アレルギーに配慮したアクセサリー素材の選び方で整理しています。

帯留めのように、和装の金属小物をオーダーする考え方は帯留めをオーダーで作るにもまとめています。

当社で作る場合の費用

かんざし1本でも、オリジナルの飾りには原型の費用がかかります(税込・目安・仕様で変わります)。

  • 原型設計:多くは税込22,000〜44,000円程度。初回のみ・デザインごと。形の細かさで変わり、石の数では変わらない
  • 原型の3D出力:データ制作とは別の費用で初回のみ
  • 特注品1個の製作費:鋳造・仕上げなど1個ごとにかかる。既製の軸の手配や取り付けを含め、内容を伺ってからご案内

シルバーで作る場合の仕上げや進め方はシルバーアクセサリーの製作にまとめています。納期は仕様確定後およそ4週間が目安で、成人式や祭りの日程が決まっているなら、逆算して早めに相談を始めます。

まとめ

  • 飾りは鋳造で作り、長い軸は既製品との組み合わせか分割で考える。一体で出力できる範囲は90mm角が目安で、収まるかは形を見て判断
  • U字・二股は髪を挟む形、一本は棒で支える形。使う髪型を1つ決めて実物の寸法で試す
  • 金属は重い。重さ・先端の形・曲がりにくさをあわせて決め、先端は丸める
  • 金属アレルギーは素材で解決と言い切れない。反応する金属を医師に確かめる
  • 気軽に使う・髪が少ない・修理したいだけなら、金属で作らない方がよい

使う髪型と、飾りに表したいものが決まっていれば相談を始められます。既製の軸を使いたい場合はその形も添えてご相談ください。既製の軸と分割のどちらが合うかも、飾りの大きさを見てお答えします。

この記事の内容で、製作を考えている方へ

参考画像と、作りたい個数をLINEでお送りください。まず1個から作りたい・販売を検討中・贈り物の1個など、今の段階のままご相談いただけます。

作りたいものが決まっていなくても大丈夫です

「こんなものは作れる?」の一言だけでも構いません。LINEまたはメールフォームから、気軽にご相談ください。

LINEで相談フォームで相談