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素材・製法更新 約6分で読めます

金属アクセサリーに色を入れる方法|樹脂(エポキシ)・エナメル風・七宝の違い

金属アクセサリーのロゴや模様に色を入れるなら、金属で凹みを作り、そこに色付きの樹脂(エポキシ)を流して固めるのが基本です。市販のピンバッジやチャームで「エナメル風」と呼ばれる仕上げの多くは、この樹脂の色入れです。

本物の七宝は、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を金属に高温で焼き付ける工芸です。見た目は似ていても、作り方・費用・傷への強さが樹脂とは別物になります。

樹脂の色入れは、色の面を金属の壁で囲める形なら成り立ちます。細い線だけに色を入れたい、ぼかしのように色を変えたい、陶器そのものの質感がほしいといった希望は、金属+色入れでは表しにくいため、先に向き不向きを見ておきます。

向いているケース・向かないケース

色を入れる前に、金属で作る意味があるかを確かめます。

作りたいもの 向き 理由
ロゴの一部を塗り分けた社章・ピンバッジ 向く 凹みを金属の壁で囲みやすい
キャラクターや紋章の色面があるチャーム 向く 面ごとに壁を立てれば多色にできる
透明な樹脂の奥に金属の模様を見せる 向く 底の金属の色がそのまま効く
細い線だけに色を入れる 条件つき 線の幅に樹脂が入らず、色が途切れる
ぼかし・グラデーションの色 向かない 樹脂は面ごとに1色。境目が要る
陶器や磁器そのものの質感 向かない 陶器は鋳造できない。白い樹脂か七宝で「風」にする
全体が色で、金属がほとんど見えない 向かない 金属の意味が薄い。樹脂やアクリルで作るほうが軽く安い

金属に色を入れる価値があるのは、色の面と金属の光る面を同じ製品の中で見せたいときです。色だけが目的なら、金属で作らないほうが向きます。

色を入れる方法の比較

「色を付ける」方法は、樹脂だけではありません。表したい色と使い方で選びます。

方法 色の出し方 向く表現
樹脂(エポキシ)の色入れ 凹みに色付きの樹脂を流して固める 赤・青・白など、はっきりした色面
七宝(焼き付け) ガラス質の釉薬を高温で焼き付ける 深みのある色、長く残る工芸品
部分メッキ 金属の色(金色・白・黒)を一部にかける 金×白のような金属色の組み合わせ
いぶし シルバーの凹みを黒く残す 黒と銀の陰影
塗装 表面に塗料を塗る 短期間の展示品や一時的な見本

金属色だけで足りるなら、部分メッキでバイカラーのアクセサリーを作るのほうが樹脂より擦れに強い場合があります。黒だけでよいシルバーなら、いぶし加工のロゴ入りシルバーが候補です。

樹脂と七宝の違いは、次の3点に出ます。

  • 樹脂は常温で固まる。七宝は焼き付けるため、本体の金属と形に制約が出る
  • 樹脂は傷が付きやすく、紫外線で黄ばむことがある。七宝はガラス質で表面が硬い
  • 樹脂は色数を増やしやすい。七宝は色ごとの焼成と研磨で手間が増える

「エナメル」という言葉は、本来は七宝(ガラス質)を指しますが、塗料や樹脂の仕上げにも使われます。発注時は「樹脂の色入れ」「焼き付けの七宝」と作り方で指定すると、行き違いを防げます。

凹みの設計:色の面は金属の壁で囲む

樹脂の色入れは、凹みに液体を流すため、色の境目は金属の壁になります。原型(製品の形のもとになる模型)の段階で、壁の位置と深さを決めます。

決めること 考え方
凹みの深さ 浅いと樹脂が薄く、はがれやすい。深さは仕様を見て案内
壁の幅 細いと鋳造で欠ける。色と色の間にも壁が要る
色面の最小の大きさ 小さすぎる面には樹脂が入らない
底の面 透明や半透明の樹脂は底の金属の色が透ける

ロゴの線が細い場合は、線に色を入れるのではなく、線の周りを凹ませて色を入れ、線を金属で浮かせると成り立ちます。ロゴを立体にする整理はロゴを金属アクセサリーにする方法にまとめています。

社章やピンバッジで色を入れる進め方は、社章・ピンバッジを鋳造で作るが参考になります。

色数と色の合わせ方

樹脂は面ごとに1色です。色数が増えるほど、壁の数と流し込みの手間が増えます。

  • 色の指定は、色見本番号か、印刷物・現物の写真で伝える
  • 画面の色と樹脂の色は同じにならない。色見本で確かめる
  • 金色・銀色のメッキの上に置く色は、メッキの色で印象が変わる
  • 不透明の色か、底が透ける色かを決める

ブランドカラーをぴったり合わせたい場合は、色の許容範囲を色見本で決めておきます。樹脂の色は配合と厚みで見え方が変わるため、「この見本の色に近づける」という決め方が現実的です。

黒・ガンメタの金属色と色の樹脂を組み合わせるなら、ガンメタ・黒のアクセサリーを作るで金属側の色の出し方を確認できます。

傷・紫外線・熱での変化

樹脂は金属より柔らかく、使ううちに変化します。販売する場合は、変化を前提に案内します。

変化 起きやすい場面 設計で減らす方法
表面の傷 リングの外側、バッグに付けたチャーム 樹脂の面を金属の縁より低くする
黄ばみ 日光に当たる場所で長く使う 白や淡い色は変化が目立つと伝える
はがれ・欠け 浅い凹み、角にぶつける 凹みを深くし、面の角を減らす
熱での変形 車内に放置、ドライヤー 高温を避けるよう案内する

リングのように常に物に当たる場所は、樹脂の色入れに向きません。ペンダント・ピンバッジ・チャームのように、擦れにくい場所に色を置くほうが長持ちします。

はがれた樹脂の入れ直しは、周囲の金属の状態によって対応が変わります。修理の考え方はジュエリー修理・アフターケアの基礎知識で説明しています。

「陶器のような白」をどう表すか

白い陶器のような質感のアクセサリーを金属で作りたい、という相談があります。陶器そのものは鋳造できないため、金属の本体に白を入れて「陶器風」にします。

  • 白い不透明の樹脂を広い面に流す
  • 白い七宝を焼き付ける(焼き付けに耐える金属と形が要る)
  • 金属はロジウムメッキやマット仕上げで、白に近い色味に寄せる

陶器の「やわらかい白さ」は、樹脂の白とは少し違って見えます。白い樹脂は使ううちに黄ばみが目立ちやすいため、長く使う商品では色の変化を案内に入れます。

GEMILYAに頼む場合

樹脂の色入れも、仕様によってはお受けできます。色の数や塗り分ける面が増えるほど手作業が増え、そのぶん費用がかかります。七宝の焼き付けも同じで、形と色を伺って費用とあわせてご案内します。

  • 本体はSV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスの6種で鋳造する
  • 色入れは本体の製作費とは別の項目として見積もる
  • 1個の特注でも、オリジナルの形には設計・原型の費用がかかる
  • 数量を作るなら、色と壁の位置を製作に入る前に決めてから進める

グッズやノベルティで色入れを使う場合は、グッズ・ノベルティ製作に法人向けの進め方をまとめています。他社のロゴやキャラクターを使う場合は、権利者の許諾を先に確かめてください。

まとめ

  • 金属に色を入れる基本は、凹みを作って色付きの樹脂を流す方法
  • 本物の七宝は焼き付けの工芸で、硬さ・費用・制約が樹脂とは別
  • 色の境目は金属の壁になる。細い線やグラデーションには向かない
  • 樹脂は傷・黄ばみ・熱で変化する。擦れにくい場所に色を置く
  • 陶器そのものは鋳造できず、白い樹脂や七宝で「風」に寄せる

色を入れたい部分を塗り分けた画像と、使う場面を添えてご相談ください。樹脂で成り立つ形か、別の方法が向くかを一緒に検討します。

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