ロゴを金属アクセサリーにする方法|データから量産までの進め方
ロゴを金属アクセサリーにするときは、平面のデータを製造できる立体の形に整えてから作ります。
平面で完成されているロゴほど、そのまま金属にすると印象が変わります。線の太さ、抜けの大きさ、角の処理が、実物では見え方を左右するためです。
進め方は「資料をそろえる→立体用に形を調整→見せ方とアイテムを決める→試作→量産」が基本です。以下、順に決めることを整理します。
入稿できるデータ
ロゴの資料は、相談に使う参考資料と、そのまま製作に使う3Dデータに分かれます。
| データの種類 | 位置づけ | 扱い方 |
|---|---|---|
| ベクター(.ai / .svg / .epsなど) | 相談用の参考資料候補 | 線の形が正確に伝わる。受け付け可否と変換作業の範囲は、資料確認後に個別に案内 |
| 高解像度の画像(.png / .jpg) | 相談用の参考資料 | 原型データを起こせるかと作業範囲は、資料確認後に個別に案内 |
| 3Dデータ(.3dm / .stl / .igs / .stp) | 製作用データ | 寸法・肉厚・鋳造に向く形かを確認し、必要なら補正 |
線の形が正確に分かる資料ほど、形の読み違いが減ります。手元にない場合も、画像や印刷物から形を起こせるか、作業範囲とあわせて確認してご案内します。
3Dデータで入稿できる形式は、.3dm / .stl / .igs / .stp です。3Dデータをお持ちの場合の条件は制作の流れにまとめています。
立体にすると変わること
平面では成立していても、金属では再現しにくい部分があります。先に把握しておくと、確認がスムーズです。
- 細すぎる線や突起は、金属が行き渡らず欠けることがある
- 細い溝や小さな穴は、鋳造や研磨で埋まり、再現しにくい場合がある
- 小さすぎる文字は、研磨で角が丸まり潰れやすい
- 抜き(穴)が小さいと、仕上げの工具が入らない
- 鋭い角は、着けたときに引っかかる
こうした箇所は、印象を変えない範囲で太さや角を調整します。どこを触るかは、事前に確認いただいてから進めます。
肉厚の考え方はジュエリー3D CADの肉厚設計で扱っています。
データが無いときはどうするか
ロゴのデータが手元にない、あるいは古くて使えないという相談も少なくありません。
その場合は、参考資料として次のようなものを用意します。
- 印刷物やグッズの写真(正面から、ゆがみなく撮ったもの)
- 現物のグッズやプレート(3Dスキャンでデータ化できます)
- 手描きのラフ
写真・印刷物・ラフから原型データを起こせるかと作業範囲は、資料を確認して個別にご案内します。
現物がある場合は、3Dスキャンで形と寸法を取り込めます。ただしスキャン結果は、欠けや肉厚を確認し、必要に応じて補正してから製作に使います。
廃番になった商品の再生産や、以前作ったグッズの色違い展開に向いた進め方です。
ただし復刻・改変をお受けできるのは、依頼者が権利を持つもの、または権利者の許諾があるものに限ります。詳しくはジュエリーの3Dスキャンとは?をご覧ください。
見せ方を決める
同じロゴでも、見せ方によって印象と費用が変わります。
- 立体で起こす:ロゴそのものを形にする。存在感が出る
- 刻印する:平らな面に彫る。見え方や摩耗後の残り方は、加工方法・深さ・当たる位置で変わる
- 部分メッキ:色の差でロゴを見せる。平面的なデザインと相性が良い
- いぶし:凹んだ部分に影を残し、輪郭を強調する
複数を組み合わせることもできます。ただし工程が増えるほど1個ずつの手作業が増えるため、単価に効きます。
工程の数が単価にどう効くかは、料金の考え方で説明しています。
アイテムを選ぶ
ロゴを載せる土台をどれにするかで、単価と使われ方が変わります。
| アイテム | 向いている場面 |
|---|---|
| チャーム・キーホルダー | 単価を抑えたい。バッグや鍵につけてもらう |
| ネックレス・ペンダント | ロゴを主役に見せたい |
| リング | 上代を取りたい。サイズ展開は絞る |
| プレート・ドッグタグ | 刻印を主役にする。名入れにも向く |
サイズ展開が必要なアイテムは、在庫が読みにくくなります。グッズでは、サイズを絞れるアイテムのほうが扱いやすいという面もあります。
権利の確認
権利者の許諾なく、他社のロゴやキャラクターを複製・改変する製作はお受けできません。
お受けできるのは、次のいずれかです。
- 依頼者が権利を持つロゴ・デザイン
- 権利者の許諾があるもの
許諾の範囲が、製造・改変・再委託・販売・販促での掲載に及ぶかどうかも、必要に応じて書面で確認させていただきます。
許諾の有無や範囲の判断に迷う場合は、弁理士・弁護士へご相談ください。
試作から量産までの流れ
ロゴグッズは、次の順で進めると手戻りが少なくなります。
- 資料確認:ロゴの資料・写真・現物を共有する
- 権利・仕様確認:許諾の範囲、サイズ、素材、見せ方、数量を決める
- 原型・試作:調整した形で原型を作り、試作する
- 承認:形・色・刻印の見え方を実物で確認する
- 量産:承認した仕様で必要な数を作る
- 検品・納品:1個ずつ仕上がりを確認して納める
量産前に試作で形と色を承認しておくと、数を作ってからの作り直しを避けられます。
製作は1個からで、ノベルティやファン向けの量産にも対応しています。グッズの進め方はグッズ・ノベルティ製作、まとまった数量は量産をご覧ください。
納期は仕様確定後およそ4週間が目安です。数量・メッキ・修正回数で前後し、デザイン検討や社内承認の期間は含みません。
仕様を整理するときは、発注仕様シートを使うと抜け漏れを防げます。
まとめ
- ベクターや画像は相談用の資料。原型データを起こせるかは資料を確認して案内する。製作用の3Dデータは.3dm / .stl / .igs / .stp
- 細い線・細い溝・小さい文字・小さい抜き・鋭い角は調整が必要になる
- 見せ方は立体・刻印・部分メッキ・いぶしから選ぶ。工程が増えると単価に効く
- 量産前に試作で形と色を承認すると、手戻りが減る
- 権利は、依頼者が持つものか権利者の許諾があるものに限る
ロゴの資料と数量の目安をご相談からお送りいただければ、立体にできるかを先に確認してお返しします。