刻印のない金のアクセサリーは本物?作り直せる?|品位を確かめる方法
刻印がない金のアクセサリーでも、偽物とは限りません。日本では貴金属に品位の刻印を入れることは義務ではなく、入れるかどうかは作り手の判断です。
本物かどうか、金の割合がいくつかは、見た目や磁石では分かりません。専門の店で比重や蛍光X線などの検査を受けて、品位を確かめます。作り直すかどうかは、品位が分かってから決めます。
向いているケース・向かないケース
刻印のない品をどうしたいかで、最初にやることが変わります。
| 状況 | 最初にやること |
|---|---|
| 売りたい | 買い取りの店で品位の検査を受け、2〜3店で比べる |
| 形見を形のまま残したい | 磨き直し・サイズ直しを修理店か購入店へ。品位の検査は急がなくてよい |
| 形を変えて身に着けたい | 品位を確かめてから、作り直しの方法を決める |
| メッキの品かもしれない | 検査で確かめる。メッキ品は金として作り直せない |
| 刻印がないことが不安なだけで、使い続ける | 何もしなくてよい。刻印の有無は品質と別 |
刻印がないだけなら、急いで何かをする必要はありません。売る・作り直すという場面になったときに、品位を確かめれば足ります。
刻印がない主な理由
刻印がない理由は、偽物以外にもいくつもあります。
- 品位の刻印は日本では義務ではなく、入れない作り手もいる
- 古い品や、町の宝石店や職人が手作りした品には、刻印のないものがある
- サイズ直しや磨き直しで、内側の刻印が削れて消えた
- 細いチェーンや小さなパーツで、入れる場所がなかった
- 刻印のあった留め具や部品だけが、交換や紛失で失われた
- 本体は金でなく、金色のメッキをかけた品だった
上のどれに当たるかは、外からは分かりません。昭和のころの形見のように由来が分からない品ほど、検査で確かめます。刻印そのものの読み方はジュエリーの品位刻印とはにまとめています。
家で分かること・分からないこと
自分で試せる方法はありますが、どれも「本物」と確定させるものではありません。
| 方法 | 分かること | 限界 |
|---|---|---|
| 磁石を近づける | 強く付けば、金ではない部分が多い可能性 | 付かなくても本物とは限らない。偽物の多くも付かない |
| 色・重さの感触 | 金らしさの見当 | メッキ品や似た合金と区別できない |
| 比重を測る | 金の割合の目安 | 精密な秤が要り、石付きや中空の品は測れない |
| 試金石・蛍光X線 | 品位の判定 | 専門の店や機関の設備。表面だけを見る方法もある |
磁石は「付いたら怪しい」までしか分かりません。付かないことを理由に本物と決めないでください。
専門の検査にも、方法ごとの得意・不得意があります。表面にメッキがかかった品や、中空・石付きの品では、方法によって中身まで判定できず、追加の検査が要る場合があります。検査の方法によっては、品の一部を削ることもあります。
品位を確かめる先
確かめる先は目的で選びます。費用がかかるかどうかは、先に聞いておきます。
- 貴金属の買い取り店:査定のときに検査する。売らなくても検査だけ受けられるかは店に確認する
- 宝石店・修理店:修理やリメイクの相談とあわせて素材を見てもらえることがある
- 造幣局の品位証明:公的な品位の証明の制度。依頼できる条件や費用は造幣局の案内で確認する
- 分析を行う機関:成分を調べる。費用と日数を確認する
どの先でも、検査の方法(削るかどうか、表面だけか)と、結果が書面で出るかを聞いておくと、あとで使えます。
確かめたあと:売る・残す・作り直す
品位が分かれば、次の3つから選べます。
| 選択 | 向く人 | 相談先 |
|---|---|---|
| 売る | 着けない。思い入れが薄い | 買い取りの店で比べる |
| 形のまま残す | 形見の形や手触りを残したい | 修理店・購入店で磨き直し |
| 作り直す | 形を変えて身に着けたい | 形見の指輪をリメイクする |
作り直すとき、他店では、品位が混ざる・目減りするなどの理由から、下取りして新しい地金で作る方式をとることもあります。当社は買い取り・下取りを行っていません。溶かして使う仕組みは金のアクセサリーを溶かして作り直せる?で説明しています。
刻印のない品は、品位が分からないまま溶かすと、できあがりの品位も分かりません。溶かす前に検査するのは、このためです。
当社に頼む場合
当社では、新しい地金で作る前提でご相談を受けています。お手持ちの金を溶かして使えるかは、受けられると約束できないため、品物を拝見して個別に確認します。
- 本体を作れる地金はSV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスの6種
- 当社は買い取り・下取りと品位の検査を行っていません。検査は上の先で受けてからご相談ください
- 元の品の修理・サイズ直し・磨き直しはお受けしていません。修理店か購入店へご相談ください
- 形見の石を新しい品に移す(持ち込みの石を留める)ことは、石の種類と状態を見てご案内します
新しく作る品には、品位の刻印を入れられます。刻印は1か所税込3,000円程度が目安で、仕様により変わります。
金で作る場合は、地金代が重さとその日の相場で決まります。オリジナルの形は1個でも原型設計の費用がかかります。内訳は料金の考え方、K18・K10・Pt900での進め方はK18・K10・Pt900の製作にまとめています。
気をつけること(ここにまとめます)
- 刻印の制度や買い取りの条件は、店や機関で異なります。上の内容は一般的な考え方で、個別の判断は確かめる先にご確認ください
- 検査で削る方法は、品に小さな傷が残ることがあります。形見は削らない方法を先に相談してください
- 刻印があっても、中身が刻印どおりとは限りません。売る前・作り直す前の検査は、刻印の有無にかかわらず役に立ちます
まとめ
- 刻印がなくても偽物とは限らない。日本では品位刻印は義務ではない
- 刻印がない理由は、古い品・手作り・サイズ直しで消えた・入れる場所がない、など
- 磁石や色では分からない。専門の店の検査で品位を確かめ、方法ごとの限界も聞いておく
- 確かめたあとに、売る・形のまま残す・作り直すから選ぶ
- 当社は新しい地金で作る前提。買い取り・下取り・修理はせず、溶かして使えるかは品物を見て個別に確認する
検査の結果と、作りたい形のイメージを添えてご相談ください。元の品の石や刻印の文字を引き継ぐ方法も、一緒に考えます。
この記事の内容で、製作を考えている方へ
参考画像と、作りたい個数をLINEでお送りください。まず1個から作りたい・販売を検討中・贈り物の1個など、今の段階のままご相談いただけます。