祖母・母の真珠を生かすリメイク|枠と金具だけ新しく作り、指輪・ピアス・一粒ネックレスにする
受け継いだ真珠のネックレスは、連(つらねた状態)のまま着けるなら糸替えで済み、糸替えは真珠店や購入店の仕事です。連では着けないなら、粒を外して金具と枠だけ新しく作ります。
真珠は熱と酸に弱いため、金属の枠を先に鋳造して磨き上げ、最後に真珠を組み付けます。
粒の状態で向く品と向かない品が分かれるため、状態の見方から順に整理します。
まず「連をどうするか」を決める
| 状況 | 向く選択 | 頼む先 |
|---|---|---|
| 連のまま着けたい。糸が伸びた・切れた | 糸替え | 真珠店・購入店 |
| 長すぎる | 短く詰めて余った粒を別の品に | 真珠店+枠の製作 |
| 連では着けない | 粒を外して枠・金具を作る | 枠の製作 |
| 数粒だけ思い出に残したい | 一粒ずつの品にする | 枠の製作 |
連の糸替えと、粒を使った新しい品づくりは別の仕事です。両方したい場合は、先に糸替え側で「何粒を外すか」を決めてから枠の相談に進むと戻りが出ません。
真珠そのものの種類や品質の見方はパールの種類と基礎知識で説明しています。
粒の状態を見る
古い真珠は、見た目がきれいでも層が傷んでいることがあります。明るい場所で1粒ずつ確かめます。
- 照り(光沢)が残っているか。曇りが汚れなのか層の劣化なのかは、現物で確かめる
- 表面の層が剥がれていないか。剥がれた粒を使えるかは、現物を見て決める
- 穴のまわりに欠けがないか。欠けはピンの固定を弱くする
- 大きさと色の揃い。ピアスにする2粒は揃いが要る
- 穴が「両穴(貫通)」か「片穴」か
家庭での研磨や薬剤での掃除は、層を傷めることがあるため勧めません。両穴の粒を枠に留めると、反対側の穴が見える位置に来ることがあるため、穴を隠す向きで設計します。
留め方:穴の有無で決まる
| 留め方 | 向く粒 | 特徴 |
|---|---|---|
| 芯立て(ピン+接着) | 片穴・両穴 | 枠のピンを穴に差し接着する。いちばん一般的 |
| 爪で抱く | 穴の有無を問わない | 金属の爪で囲む。真珠に当たる部分を丸く仕上げる |
| 両穴を通してキャップ | 両穴 | 上下をキャップで押さえる。連の粒をそのまま使いやすい |
芯立ての接着は、あとから外せるかどうかが接着の状態で変わります。別の品に作り替える可能性があるなら、爪で抱く形も候補になります。石の留め方全般は石留めの種類と選び方で比べられます。
指輪・ピアス・一粒ネックレスで気をつけること
同じ粒でも、作る品によって注意点が変わります。
| 品 | 気をつけること |
|---|---|
| 指輪 | 真珠が高く出ると物にぶつかる。低く抱く枠にする。サイズ直しは枠の形で可否が決まる |
| ピアス | 2粒の大きさ・色を揃える。ポスト・キャッチは既製品。重さは左右で合わせる |
| 一粒ネックレス | バチカン(チェーンを通す輪)の内寸をチェーンに合わせる。チェーンは既製品 |
真珠は柔らかく、ぶつけると傷が残ります。毎日着ける指輪にするなら、真珠が枠より飛び出しすぎない高さにします。
ピアスの金具とチェーンは、既製品を組み合わせる前提です。
作り直さないほうがよいケース
次に当てはまるなら、枠を作るより別の道が合います。
- 層の剥がれ・深い傷がある粒(再使用できるかは現物で確認)
- 思い出が「連の姿」そのものにある(糸替えで残す)
- 貝パールやコットンパールなどの模造真珠で、重さや質感が枠に合わない
- 粒が多く、全部を品にしたい(数粒を選び、残りは連のまま保管する)
- 急いでいる(枠の設計と原型の確認に時間がかかる)
模造真珠でも思い出として作る価値はあります。ただ、重さと穴の状態が本真珠と違うため、現物を見て留め方を決めます。
鋳造と真珠の順番
真珠は熱・酸・研磨に弱い素材です。そのため、金属の作業がすべて終わってから真珠を組み付けます。
- 粒のおおよその直径と穴の状態を伝え、枠と金具を3Dデータで設計する
- 鋳造・仕上げ・メッキまで金属だけで終える
- 現物の粒で寸法と穴の状態を確かめ、最後に芯立てや爪で固定する
- 固定後は磨き直しや熱を加える作業をしない
組み付けたあとに枠の形を変えるには真珠を外す必要があり、熱や研磨をともなう作業は真珠を傷めます。そのため、組み付け前に仕様を確定します。依頼時の直径は概寸で構いませんが、設計に使う寸法と穴の状態は製作側が現物で確認します。
兄弟姉妹で粒を分けるなら、同じ枠を人数分作ると原型が1つで済みます。
受け継いだのが真珠ではなく数珠の場合も、珠を金属の枠に納めて最後に組み付ける考え方は共通で、宗派や家族への確かめ方を含めて形見の数珠・切れた数珠の珠を生かすで説明しています。
GEMILYAに頼む場合
GEMILYAで作るのは、真珠を受ける枠・ピン・バチカンなどの金属部分です。お手持ちの粒を使う場合はお送りください。真珠のお手配は、種類と大きさによってご相談ください。
- 粒の取り付けは、仕様によってはお受けできる。手作業が増えるぶん費用がかかるため、粒の状態を見て費用とあわせて案内
- 連の糸替えは行っていない。連から粒を外す作業は、糸替えとあわせて真珠店に頼むのが確実。仕様によってはお受けできるため、形を伺って案内
- 本体を作れる地金はSV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスの6種
- オリジナルの枠は1個でも原型設計費(多くは税込22,000〜44,000円程度・初回のみ・デザインごと)がかかり、1個ごとの製作費は内容を伺ってから案内
粒をお送りいただくときの準備は石を持ち込んでアクセサリーを作ると同じです。1個からの進め方は特注・小ロット製作にまとめています。
まとめ
- 連のまま着けるなら糸替え(真珠店へ)。着けないなら粒を外して枠と金具を作る
- 照り・層・穴の状態を1粒ずつ見る。使える粒かは現物で確かめ、家庭での研磨はしない
- 留め方は芯立て・爪・両穴キャップ。穴の有無と作り替えの可能性で決める
- 真珠は熱と酸に弱いため、金属の作業をすべて終えてから最後に組み付ける。仕様は組み付け前に確定
- 剥がれた粒・連の姿が思い出・急ぎの場合は、枠を作らない
粒の写真(正面と穴の側)と直径を添えてご相談ください。指輪・ピアス・一粒ネックレスのどれが合うか、粒の状態から一緒に考えます。
この記事の内容で、製作を考えている方へ
参考画像と、作りたい個数をLINEでお送りください。まず1個から作りたい・販売を検討中・贈り物の1個など、今の段階のままご相談いただけます。