本文へ移動
GEMILYA
実務ノウハウ約6分で読めます

モールス信号・点字で言葉を入れるジュエリー|短点・長点の表し方と素材

名前やメッセージを、ぱっと見では読めない形で身に着けたいときに使えるのが、モールス信号と点字です。モールス信号は短点(・)を玉、長点(-)を線で表し、点字は凸の点の並びで表します。

向いているのは、名前・日付・1語の短い言葉です。英字A〜Zは1文字が1〜4要素、数字は1文字5要素で、必要な長さは言葉を符号に直した列で決まります。

ビーズとワイヤーで自作する方法もあり、1本だけ安く作るならそれで足りることもありますが、長く着ける品にしたいなら金属で一体に作る意味が出ます。

モールス信号は「時間の比率」を長さに置き換える

モールス信号は、国際的な取り決め(ITUの国際モールス符号)で信号の長さの比率が定められています。これは通信の時間の比率で、ジュエリーの寸法の規格ではありません。ここでは、その時間比率を造形の長さと間隔に置き換える設計例として使います。

要素 時間の比率 造形に置き換えると
短点 基準の長さ 玉1つ
長点 短点3つ分 玉3つ分の長さの線
同じ文字の中の間隔 短点1つ分 玉1つ分の空き
文字と文字の間隔 短点3つ分 玉3つ分の空き
単語と単語の間隔 短点7つ分 玉7つ分の空き

比率に加えて、読み始める位置と向きを決めておかないと、裏返しや逆向きで別の文字に読めます。バーなら左端から右へ、リングなら留め具や刻印を起点に、と決めて原型に入れます。

日本語の名前は、ローマ字で欧文モールスにするのが簡単です。かなを表す和文モールスもありますが、読める人が限られます。

実寸は符号列を出してから決める(説明用の例)

言葉を決めると、要素の数と間隔の数が決まり、ジュエリーの長さが決まります。「LOVE」を例にすると、符号は次のとおりです。

  • L(・-・・):短点3・長点1、文字の中の間隔3
  • O(---):長点3、文字の中の間隔2
  • V(・・・-):短点3・長点1、文字の中の間隔3
  • E(・):短点1

短点を直径2mmの玉、長点を6mmの線にすると、要素だけで短点7×2mm+長点5×6mm=44mmです。これに文字の中の間隔8か所×2mm=16mmと、文字の間3か所×6mm=18mmが加わり、「LOVE」の全長はおよそ78mmになります(説明用の計算です)。

収めたい長さ 考え方
リングの外周・小さなプレート 玉を小さくするか、イニシャル1文字に絞る
ネックレスのバー・ブレスレットのプレート 符号列の長さから玉の大きさを逆算する
日付(数字) 数字は1文字5要素。符号列を出して長さを計算してから、年だけ・月日だけなどに絞る
文章 金属では入らない。1語に絞る

文字数だけでアイテムを決めることはできません。言葉を符号に直し、玉の大きさと間隔を掛けて全長を出してから、収まる形を選びます。

表し方は3つ

金属で作るとき、短点と長点を何で表すかで見え方と費用が変わります。

表し方 見え方 気をつけること
土台のバーに玉と線を載せて一体で鋳造 ビーズのような立体の並び 土台の厚みと玉の接続部の強さ
平板に凹凸で刻む 近づくと読める控えめな表現 細い線は研磨で埋まりやすい
石で表す(丸い石=短点、細長い石=長点) 華やか。読めることは二の次 石留めは仕様を見てご案内

玉と線の間には空きがあるため、浮かせたままでは一体になりません。細いバーやプレートを土台にして、その上に玉と線を載せる構造で一体にします。土台が細すぎると曲がるので、厚みは全長に合わせて決めます。

刻む方法は、「・」と「-」を打つだけなら文字の刻印と同じ扱いです。石で表す場合は、石の数と留め方で費用が大きく変わるため、形を伺って費用とあわせてご案内します。

点字は「読める寸法」にするかで設計が変わる

点字は、縦3点・横2点の6点の組み合わせで1マスを表します。凸の点を鋳造で一体にすれば、金属でも作れます。

目的 設計
指で読める点字にする 点の高さ・直径・間隔を規格に合わせる。曲面や仕上げも触読に影響するため、まとめて確認する
配置だけ借りて飾りにする 大きさは自由。ただし点の配置は正しい文字にする

読める点字にするなら、点の寸法は自己流で決めず、規格の数値を確認してから原型に入れます。点が低いと研磨で消え、間隔が詰まると指で区別できません。

1文字が1マスとは限りません。濁音・半濁音・拗音は2マス、数字には数符が付きます。名前を入れる場合は、点訳した後のマス数で寸法を出します。飾りとして使う場合も、点が1つずれると別の文字になるため、点訳の一覧表で確認してから依頼します。

自作と金属で作る違い

モールス信号のアクセサリーは、ビーズとワイヤーで自作する方法が広く知られています。金属で一体に作る前に、どちらが合うかを比べます。

比べる点 ビーズで自作 金属で一体に作る
費用 材料費だけ 原型設計費・原型の出力費と製作費がかかる
日数 その日のうち 仕様確定後およそ4週間(仕様で前後)
耐久 糸やワイヤーが切れることがある 土台の厚み・接続部・使い方による
言葉の変更 作り直せば自由 原型ごとに固定
見た目 手作りらしさ 磨いた金属の一体感

1本だけ、気軽に贈りたいなら自作で足ります。長く着ける品にしたい、ペアで同じものを何個か作りたい、という場合に金属で作る意味が出ます。金属でも、細い土台や小さな接続部は使い方次第で曲がったり欠けたりします。

向かないケース

  • 長い文章を入れたい:要素が多すぎて入らない。1語に絞るか、文字の刻印にする
  • 読める点字を保証したい:寸法の規格を確認できない段階では作らない
  • 1本だけ安く早く欲しい:ビーズの自作か、既製のモールス信号アクセサリー
  • 誰にでも読めてほしい:文字の刻印やイニシャルの方が向く

名前を文字で見せる作り方はネームネックレスをオーダーで作るで説明しています。隠した意味を持たせたいのか、読めることを優先するのかを先に決めると、形が決まります。

GEMILYAに頼む場合

言葉を決めていただければ、モールス信号の符号列と全長の目安を出し、バー・プレート・リングのどれに収まるかをご案内します。

  • 本体の素材はSV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスから選べます。シルバーの製作はシルバーのページにまとめています
  • 原型設計は多くは税込22,000〜44,000円程度(税抜2万〜4万円)で、初回のみ・デザインごと・形の細かさで変わります。原型の3D出力は別の費用で、こちらも初回のみです
  • 鋳造・仕上げなどの製作費は1個ごとにかかり、内容を伺ってからご案内します
  • 石で表す場合の石留め、点字の規格寸法での製作は、仕様を見てお受けできるかと費用をご案内します
  • チェーンは既製品を組み合わせます。トップだけ作る進め方はペンダントトップだけ特注する、1個からの進め方は1個から作れる小ロット製作にあります

細い線や小さい点が鋳造で残るかの目安はロゴを金属アクセサリーにする方法の線の太さの考え方と同じです。

まとめ

  • モールス信号は通信の時間比率を玉と線の長さ・間隔に置き換え、読み始める位置と向きも決める
  • 英字は1〜4要素、数字は5要素。実寸は符号列を出してから計算する(「LOVE」で2mm玉ならおよそ78mm)
  • 表し方は土台に載せて一体鋳造・刻む・石の3つ。耐久は土台の厚みと接続部による
  • 点字は点訳後のマス数で寸法を出し、読める寸法にするなら規格を確認する
  • 1本だけ気軽に贈るなら自作で足りる。長く着ける品なら金属で一体に

入れたい言葉と、ネックレス・ブレスレット・リングのどれにしたいかを添えてご相談ください。符号列と全長の目安を出し、収まる形をお伝えします。

この記事の内容で、製作を考えている方へ

参考画像と、作りたい個数をLINEでお送りください。まず1個から作りたい・販売を検討中・贈り物の1個など、今の段階のままご相談いただけます。

作りたいものが決まっていなくても大丈夫です

「こんなものは作れる?」の一言だけでも構いません。LINEまたはメールフォームから、気軽にご相談ください。

LINEで相談フォームで相談