本文へ移動
GEMILYA
実務ノウハウ約4分で読めます

アクセサリーのデザイン画の描き方|三面図と寸法の書き込みで1回で伝わる

アクセサリーのデザイン画は、正面・横・上の3方向から描き、mm単位の寸法を書き込めば製作に使えます。絵が上手である必要はありません。

作り手が知りたいのは、厚み・幅・いちばん細い部分の太さ・裏側の形です。斜めから見た1枚の絵では、これらが読み取れません。

この記事は、手描きの図を持って製作を頼みたい方に向けて書いています。描く順番と書き込む項目を、そのまま使える形でまとめました。

デザイン画に要るのは「3方向」と「数字」

雰囲気の伝わる完成イメージの絵は、あってかまいません。ただし製作には、形を3方向から切り分けた図が別に要ります。これを三面図と呼びます。

描く方向 その図で伝わること 描き忘れると起きること
正面 輪郭、模様、石の位置 ほぼ起きない(多くの人が描く)
横(側面) 厚み、ふくらみ、裏側の形 薄すぎる・重すぎる仕上がりになる
上(リングなら真上) 幅の変化、腕の太さ 手のひら側の幅が想像で決まる

リングは、真横から見た輪の形と、指を通す穴の側から見た断面も描くと確実です。断面とは、輪を切ったときの切り口の形のことです。

切り口が丸いか平らかで、着け心地も見え方も変わります。言葉で「甲丸(こうまる)」「平打ち」と書き添えても伝わります。

寸法の書き込み方(記入例)

寸法はmmで書きます。全部が決まっていなくても、決まっている数字と「おまかせ」を分けて書くと相談が早く進みます。

項目 記入例(説明用)
全体の大きさ 縦15mm×横12mm
厚み いちばん厚い所3mm、縁は薄く見せたい
いちばん細い線 葉の茎の部分。太さはおまかせ
リングの号数・幅 11号、正面6mm、手のひら側3mm
吊り下げる位置 上端の中央、チェーンは手持ちを使う
石 正面中央に1石、直径3mm、色は青系

「いちばん細い線」を書く理由は、金属を流し込んで形を作る鋳造では、細すぎる部分が欠けやすいからです。図に印があれば、作れる太さかを先に確認できます。

必要な厚みは素材と形で変わります。考え方はジュエリーCADの肉厚設計にまとめています。

描く順番は5段階

デザインが固まっていなくても、次の順で描くと情報が抜けにくくなります。

  1. 方眼紙(1mm目盛り)に原寸で正面を描く
  2. 小さすぎて描き込めない部分だけ、横に拡大図を添える
  3. 正面の高さに合わせて、横と上の図を並べて描く
  4. 寸法を引き出し線で書き込み、決まっていない所は「おまかせ」と書く
  5. 素材・仕上げ・石の色を、図の外にメモでまとめる

原寸で描くと、実際の大きさで細かすぎる模様に自分で気づけます。原寸の紙を体に当てて見ると、大きさの感覚も確かめられます。

手描き・アプリ・3Dのどれで描くか

道具は何でもかまいません。紙を撮った写真でも、タブレットのお絵かきアプリでも受け付けます。

  • 手描き:いちばん早い。方眼紙なら寸法の見当もつく
  • タブレット:レイヤーで3方向を重ねて揃えやすい
  • 3Dデータ:状態が良ければ原型づくりに使える。STLなら3Dデータチェッカーで寸法と推定重量を先に確かめられる

伝わらないデザイン画の失敗例

依頼の場でよく見る「惜しい図」を並べます。どれも、描き足せば直ります。

失敗 起きること 直し方
斜めから見た絵が1枚だけ 厚みと裏側の形が分からない 横からの図を足す
寸法がない 想像より大きく・小さく仕上がる 縦横だけでも数字を書く
線画が細い線のまま 金属で再現できない部分が出る 細い所に印を付けて相談する
裏側を描いていない 肌に当たる面が平らか分からない 「裏は平ら」の一言を足す
石の大きさが「小さめ」 石座の大きさを決められない 直径をmmで書く

上手に描こうとして陰影を付け込むより、線と数字をはっきりさせるほうが伝わります。

素材は「作れる地金」の中から書く

図に素材を書くときは、作り方とセットで考えます。同じ図面でも、金属を削り出す加工と、鋳造では作れる形が違います。

当社で本体を作れる素材は、SV925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスの6種類です。チタンを指定した図は、そのままでは当社では製作できません。

  • 素材が決まっていない:「シルバーか金で迷っている」と書けば十分
  • 色だけ決まっている:「金色」「黒っぽい銀色」と書けば、メッキや仕上げで提案できる
  • 予算から決めたい:用途と数量を添えれば、素材の候補を絞れる

まとめ

  • デザイン画は正面・横・上の3方向に、mmの寸法を書き込む
  • いちばん細い線と裏側の形は、図に印やメモで残す
  • 決まっていない項目は「おまかせ」と書いて分けておく
  • 失敗の多くは「横の図がない」「数字がない」の2つ
  • 素材は当社で作れる6種類の中から、迷っていればそのまま書く

図と一緒に、用途・数量・納品希望日を発注仕様シートで整理しておくと、最初の見積もりまでが短くなります。描きかけの図のままでも、写真を添えてご相談ください。

この記事の内容で、製作を考えている方へ

参考画像と、作りたい個数をLINEでお送りください。試作だけ・販売を検討中・贈り物の1個など、今の段階のままご相談いただけます。

作りたいものが決まっていなくても大丈夫です

「こんなものは作れる?」の一言だけでも構いません。LINEまたはメールフォームから、気軽にご相談ください。

LINEで相談フォームで相談