アクセサリーの3Dデータ作成を依頼する|データだけ頼むか製作まで頼むか
アクセサリーの3Dデータを人に作ってもらうときは、最初に「そのデータで何を作るか」を決めます。自宅の3Dプリンターで樹脂のまま出すのか、金属に鋳造するのかで、必要なデータの条件がまったく違うためです。
金属で作るのが目的なら、データ作成と製作を同じ依頼先にまとめるほうが、手戻りは少なくなります。データだけを別に頼む場合は、鋳造の条件を作り手に伝えることが欠かせません。
この記事では、2つの頼み方の違いと、依頼時に伝える項目を記入例つきで整理します。
先に決めること:樹脂のままか、金属にするか
知恵袋では、スマホのアプリで作った形を3Dプリンターでキーホルダーにしたい、という相談が見られます。回答はSTLで書き出してプリンター用のソフトに読み込む手順で、樹脂で出す場合はそれで正解です。
ただし、同じデータを金属で作ろうとすると条件が変わります。
| 目的 | データに必要なこと | 頼み先の例 |
|---|---|---|
| 樹脂のまま3Dプリント | 自分のプリンターで出せる大きさと形 | データ作成者、出力サービス |
| 金属に鋳造する | 実寸のmm、鋳造できる肉厚、閉じた立体 | 鋳造まで受ける製作先 |
| 両方を試す | 金属の条件で作り、樹脂で形を確かめる | 製作先と相談しながら |
金属にするつもりがあるなら、最初から鋳造の条件でデータを作るのが近道です。樹脂用に作った細い部分は、金属では湯が回らず欠けることがあります。
自宅で作る手順は3Dプリンターでアクセサリーを作る方法にまとめています。
データだけ頼む場合と、製作まで頼む場合
依頼の範囲によって、自分で管理することが変わります。
| 項目 | データだけ頼む | 製作まで頼む |
|---|---|---|
| 鋳造の条件の確認 | 自分が作り手と製作先の間に立つ | 依頼先の中で調整される |
| 修正の往復 | 作り手と製作先の両方とやり取りする | 窓口が一つで済む |
| データの扱い | 受け渡しの形式と権利を取り決める | 依頼先での保管の条件を確認する |
| 向いている人 | 自分でもデータを触る、複数の製作先に出す | 形を決めたら完成品が欲しい |
データだけを頼んだ場合、製作先で肉厚不足などが見つかると、作り手に修正を頼み直すことになります。この往復が、日程の遅れの大きな原因です。
記入例:作り手に伝える項目
データ作成を頼むときは、次の表を埋めて渡します。内容は説明用の例です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 作るもの | 猫のシルエットのペンダントトップ |
| 完成寸法 | 縦20mm・横15mm・厚み2mm前後 |
| 素材 | SV925で鋳造予定 |
| 用途 | 金属で数個、のちに追加あり |
| 書き出し形式 | STL(単位mm) |
| 参考資料 | 手描きのラフ3方向、好みの写真2枚 |
| 気になる点 | 耳の先が細くなりすぎないか |
単位を書かないと、書き出しで10倍や1/10の大きさになる事故が起きます。形式と一緒に「単位mm」まで指定すると防げます。
受け取ったデータで確認すること
データを受け取ったら、製作先に送る前に次の点を見ます。
- 外形寸法が完成寸法と合っているか
- 閉じた立体になっているか(面に穴が開いていないか)
- 一番薄い部分がどこか、作り手から説明を受けたか
- 部品が重なっているだけでなく、一体につながっているか
STLなら、3Dデータチェッカーで外形寸法や体積、閉じていない面を確かめられます。ファイルはブラウザの中だけで処理され、送信されません。
肉厚の考え方はジュエリー3D CADの肉厚設計で詳しく説明しています。
よくある失敗例
| 失敗 | 起きること | 避け方 |
|---|---|---|
| 画面の見た目だけで承認した | 実物が想像より大きい・小さい | 定規で実寸を当てて確認する |
| 樹脂用の細さのまま鋳造に出した | 細部が欠ける、折れる | 鋳造する素材を最初に伝える |
| 権利や受け渡しの条件を決めなかった | 修正や追加生産のたびに相手の許可が要る | 使える範囲を文字で残す |
| 自作アプリのデータを形式変換せず送った | 受付形式でなく出し直しになる | 受付形式を製作先に先に確認する |
気をつけること(ここにまとめます)
- データの権利や受け渡しの条件は、作り手ごとに違う。依頼前に、修正・追加生産・別の製作先での使用ができるかを確認する
- 既存の商品やキャラクターを写したデータは、権利者の許諾がない限り作らない・頼まない
GEMILYAに頼む場合
当社では、3Dデータの作成は鋳造・仕上げまでの製作と一緒にお受けする形でご案内しています。手描きのラフや参考画像から当社で形を起こし、画面で確認していただいてから製作に進みます。
ご自身で作ったデータがある場合は、.3dm・.stl・.igs・.stp の形式で持ち込めます。
- ラフや参考画像、完成寸法、素材、数量を送る
- 見積もりを確認して承認する
- 3Dデータを画面で確認し、修正を伝える
- 鋳造・仕上げを経て納品(仕様確定後およそ4週間が目安)
自作データの持ち込みは自作3Dデータのアクセサリー鋳造で詳しく説明しています。
まとめ
- 3Dデータは、樹脂のまま出すか金属にするかで必要な条件が変わる
- 金属が目的なら、データ作成と製作を同じ依頼先にまとめると往復が減る
- 作り手には完成寸法・素材・形式と単位までを表で伝える
- 受け取ったデータは、実寸・閉じた立体・一番薄い部分を確認してから製作に回す
ラフと完成寸法の見込みがあれば、データ作成から金属の完成品まで一緒に進められます。無料相談からご相談ください。