ジュエリーCADソフトの選び方|無料ソフト・iPadで作って鋳造に入稿するまで
ジュエリーのCADソフトは、号数や石の直径など寸法の決まった形を作るか、動物や植物のような自由な曲面を作るかで選びます。前者は寸法を数値で入れられるCAD、後者は粘土のように形を盛る彫刻(スカルプト)系が向きます。
無料のソフトやiPadのアプリでも、鋳造に使うデータは作れます。決め手は値段より、mm単位でSTLなどに書き出せるか、閉じた立体になるかです。
この記事は、自分でデザインしたアクセサリーを金属にしたい個人の方やブランドの方に向けて、ソフトの選び方と、作ったデータを鋳造に回すまでの確認点をまとめます。
2つの系統から選ぶ
ジュエリーに使われるソフトは、大きく2つの系統に分かれます。
| 系統 | 得意な形 | 苦手なこと |
|---|---|---|
| CAD(寸法で組み立てる) | リング、石座、ロゴのプレート、左右対称の形 | 有機的な曲面を感覚で作ること |
| スカルプト(形を盛って削る) | 動物、花、手びねり風の形 | 号数や厚みを正確にそろえること |
ジュエリー向けによく名前が挙がるものとして、CADではRhinocerosやShapr3D、スカルプトではNomad Sculpt、両方の機能を持つものとしてBlenderがあります。名前は一例で、どれが正解というものではありません。
石を留めるリングや、サイズ展開のある商品はCAD系、一点もののモチーフはスカルプト系から始めると迷いにくくなります。
無料ソフト・iPadで作るときの判断表
無料やタブレットで始める人は多く、それ自体は問題ありません。気をつけるのは、作れる形と書き出しの条件です。
| 状況 | 向く選び方 | 注意すること |
|---|---|---|
| まず試したい、費用をかけたくない | 無料のソフト(Blenderなど) | 機能が多く、ジュエリー向けの設定は自分で調べる |
| iPadとペンで描くように作りたい | iPadのスカルプトアプリ | 寸法の入力が苦手。リングの号数は後から測って合わせる |
| iPadで寸法どおりに作りたい | iPadで動くCADアプリ | 無料の範囲で書き出せる形式を確認する |
| 石留めのリングを何型も作る | ジュエリー向けの機能があるCAD | 有料のものが多い。体験版で操作を試す |
無料の範囲や書き出せる形式は、製品や版によって変わります。導入する前に、公式の情報でSTLなどへの書き出しができるかを確かめてください。
試用期間に確かめる4つのこと
ソフトを決める前に、小さなリングを1つ作って次の4点を確かめると失敗しません。
- 寸法をmmで入力・確認できるか
- STLなど、鋳造の依頼先が受け付ける形式で書き出せるか
- 書き出したデータが、穴の開いていない閉じた立体になっているか
- 書き出し後に別のソフトで開いても、大きさが変わっていないか
iPadのアプリで作った形を3Dプリンターで出力したいという相談でも、最初の答えは「STLで書き出す」です。鋳造に回す場合も同じで、書き出しの段階でつまずく人が多くいます。
作ったデータは、3Dデータチェッカーで寸法や推定重量、閉じていない面がないかを確かめられます。ファイルはブラウザの中だけで処理されます。
独学かスクールか
どちらが良いかは、ソフトを覚える目的で決まります。
- 自分の作品を数型作りたい:独学で十分なことが多い。分からない点は作例を真似て覚える
- 石留めや号数展開を正確に作りたい:ジュエリー向けの講座で、鋳造を前提にした作り方を学ぶ価値がある
- 仕事としてCADオペレーターになりたい:業界で使われるソフトを、スクールで体系的に学ぶ
独学でつまずきやすいのは、画面上ではきれいでも鋳造できない形を作ってしまうことです。細すぎる線や薄すぎる面は、金属が流れきらずに欠けます。厚みの目安はジュエリー3D CADの肉厚設計にまとめています。
よくある失敗
- 単位をcmやインチのまま書き出し、鋳造先で大きさが10倍・10分の1になっていた
- スカルプトで作ったリングの内径が測れず、号数が合わなかった
- 表面だけのデータで、厚みのない形になっていた
- 細部を作り込みすぎて、データが重く開けなかった
Blenderなど汎用のソフトで作ったデータの直し方は、自作3Dデータのアクセサリー鋳造で詳しく説明しています。
気をつけること(ここにまとめます)
- ソフトの価格や無料で使える範囲、商用利用の条件は、製品ごと・時期ごとに変わります。この記事では金額や条件を書いていないため、導入前に各ソフトの公式情報で確認してください。
GEMILYAに頼む場合
- 受け付けるデータ形式は .3dm/.stl/.igs/.stp。1辺90mm以内の大きさに対応
- 作ったデータは、状態を確認して修正が要るかをお知らせする
- 地金はシルバー925・K18・K10・Pt900・真鍮・ステンレスの6種類
- データが作れない部分は、ラフからの原型づくりと組み合わせて相談できる
まとめ
- 寸法の決まった形はCAD、自由な曲面はスカルプト系を選ぶ
- 無料ソフトやiPadでも作れるが、mm単位でSTLなどに書き出せるかを先に試す
- 試用期間に小さなリングを1つ作り、4つの点を確かめる
- 独学かスクールかは、作品づくりか仕事にするかで決める
作ったデータを金属にしたいときは、無料相談でデータを添えてご相談ください。