アクセサリーOEMの仕様書の書き方|項目一覧と記入例
アクセサリーOEMの仕様書は、「何を・どの寸法で・どの素材と仕上げで・どこまでを合格とするか」をまとめた書類です。図面や写真が多い場合は別紙を添えます。
基本情報、寸法、素材、重量の目安、仕上げとメッキ、石、刻印、金具、許容差と検品、梱包と納品の10項目をそろえれば形になります。
最初から全部を埋める必要はありません。相談の段階で分かる項目を書き、見積もりとサンプル確認を経て完成させていきます。
この記事では、項目ごとの書き方と記入例を紹介します。相談前の整理に使える当社の発注仕様シートとの使い分けも説明します。
仕様書は3つの段階で育てる
仕様書は一度で完成させる書類ではありません。段階ごとに書く深さが変わります。
| 段階 | 仕様書の状態 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 相談前 | 分かる項目だけのメモ | 方向性と概算を知る |
| 見積もり後 | 寸法・素材・仕上げが入った案 | サンプルを作る |
| サンプル承認後 | 許容差・検品・梱包まで確定 | 同じ品質で作り続ける |
相談前の段階では、当社の発注仕様シートが使えます。用途・納品希望日・想定数量の3つが分かるだけでも、進め方を提案できます。
見積もり依頼で最初に送る項目は見積もり依頼チェックリストにまとめています。この記事は、その先の製作の基準として残す書類の書き方です。
仕様書に入れる10項目
仕様書の項目は次の10個です。アイテムによっては空欄の項目があっても構いません。
- 基本情報: 品名、品番、版番号、作成日、担当者、製作数量
- 寸法: 縦・横・厚み、リングなら号数、図や写真
- 素材: 地金の種類(SV925、K18など)
- 重量の目安: 想定する重さ、重くしたくない上限
- 仕上げ・メッキ: 鏡面やマット、メッキの色と範囲
- 石: 種類、大きさ、数、留め方、調達方法
- 刻印: 内容、位置、書体、ロゴデータ
- 金具・パーツ: チェーン、ポスト、留め具の種類と長さ
- 許容差と検品: どこまでの差を合格とするか
- 梱包・納品: 個包装、台紙、納品先、希望納品日
品番と版番号は特に大切です。修正のたびに版を上げると、どの指示が最新か迷いません。
項目ごとの書き方のコツ
書き方で迷いやすい項目を取り上げます。
寸法は図か写真に書き込む
文章だけの寸法は、どこからどこまでを測るかがずれやすくなります。手描きの図や写真に矢印を引き、数値を書き込みましょう。
仕上げは「範囲」まで書く
「ゴールドメッキ」だけでは、全体か一部かが伝わりません。部分メッキなら、色を変える面を図で塗り分けます。
金具は既製品の情報を添える
チェーンやピアスポストは既製品を使うのが一般的です。当社はチェーンを製造していないため、チェーン込みの納品はご相談ください。
- 長さ、太さ、留め具の種類を書く
- 手元に見本があれば写真を添える
許容差は「数値+見本」で決める
寸法の差は数値で、色や艶の差は承認したサンプルで決めます。見る箇所の決め方はアクセサリー検品の基礎が参考になります。
記入例:シルバーのペンダントトップ
次の表は説明用の架空の記入例です。数値の入る欄は、実際の案件で埋めてください。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 品名・品番 | 月モチーフのペンダントトップ/PT-001 |
| 製作数量 | ○個 |
| 版・作成日 | 第2版/○年○月○日 |
| 寸法 | 縦○mm・横○mm・厚み○mm(図面添付) |
| 素材 | SV925 |
| 仕上げ | 表は鏡面、裏はマット |
| メッキ | なし |
| 石 | なし |
| 刻印 | 裏面にブランドロゴ(データ添付) |
| 金具 | バチカン一体型。チェーンは別途手配 |
| 許容差 | 寸法:図面の各指定寸法に対して±○mm(協議して確定)。色・艶:承認サンプルと比較 |
| 梱包・納品 | 1個ずつ袋入れ/希望納品日:○年○月○日 |
変更があったら、版番号を上げて変更点を1行で記録します。「第2版:厚みを変更」のように残せば十分です。
よくある書き漏れと対策
仕様書の不足は、サンプル確認の段階で見つかることが多くあります。先回りして確認しましょう。
| 書き漏れ | 起きやすいこと | 対策 |
|---|---|---|
| 裏面の指定 | 裏の仕上げが想定と違う | 表と裏を分けて書く |
| 刻印の位置 | 着けたときに見えない | 図に位置を描く |
| バチカンの開口寸法 | チェーンや端部金具が通らない | 開口内寸と、通す部品の最大外寸を書く |
| 個包装 | 納品後に袋詰めが必要になる | 梱包欄を必ず埋める |
権利の確認も忘れずに書きます。公式ロゴや他社デザインを使う場合は、権利者の許諾が必要です。
仕様書を確定させて発注する
サンプルを確認して承認したら、その内容で仕様書を確定させます。承認サンプルと仕様書をセットで保管すると、追加生産のときにも同じ基準で確認できます。
- 承認日と承認者を仕様書に記録する
- サンプルは傷がつかないよう保管する
- 追加生産のときは、版番号を伝えて発注する
当社では原型を最終のご発注から6か月保管しています。期間内に同じ仕様で追加するなら原型代はかかりません。未発表の企画なら、秘密保持契約(NDA)を結んでから進めることもできます。
まとめ
- 仕様書は、基本情報から梱包・納品まで10項目をまとめた製作の基準
- 相談前・見積もり後・サンプル承認後の3段階で書き足していく
- 寸法は図に書き込み、仕上げは範囲まで指定する
- 品番と版番号を付け、承認サンプルとセットで保管する
まだ項目が埋まっていない段階でも、分かる範囲のメモで相談を始められます。LINEやメールフォームからお送りください。