シルバーバングルのオーダーメイド|太さ・開口・重さの決め方
シルバーバングルをオーダーメイドで作るときは、断面の太さ・内周・開口部の3点で強度を先に設計します。SV925はやわらかめの素材で、断面が細すぎると日常の力で曲がるからです。
重さは、着け心地と地金代の両方を決めます。太さで強度を確保しながら、内側を平らにするなどで重さを抑えるのが基本の考え方です。
仕上げは鏡面・マット・いぶしから選び、刻印は内側にレーザーか原型への彫り込みで入れます。1個の特注から小ロットまで作れますが、オリジナルの形は1個でも設計と原型の費用がかかります。
SV925のバングルが曲がる理由と断面の太さ
SV925は、銀に少量の別の金属を配合した合金です。純銀よりは硬いものの、細い断面のまま手首を一周させると力がかかったときに曲がります。
曲がりにくさは、素材より断面の形と太さで決まります。
| 断面の形 | 曲がりにくさ | 印象 |
|---|---|---|
| 丸線 | 太さのわりに曲がりやすい | 細く華奢に見える |
| 平打ち(帯状) | 幅方向に強い | 面が広く、刻印を入れやすい |
| 甲丸・かまぼこ | 厚みがあり、曲がりにくい | 丸みがあり、肌当たりがやさしい |
細い丸線のバングルは、着けたまま物にぶつけると変形しやすいことを前提に設計します。細く見せたいなら、断面を縦に厚くして横から細く見せる方法があります。
強度を保ちながら軽く見せる設計の考え方は壊れにくいジュエリーの設計にまとめています。
内周と開口部で着脱と強度を設計する
バングルは、手首の側面から開口部に差し込んで着けます。内周と開口部の幅は、着けやすさと外れにくさの綱引きです。
- 内周:手首の太さにゆとりを足して決める。きついと跡がつき、緩いと回って向きが変わる
- 開口部:広いと着けやすいが外れやすい。狭いと外れにくいが着けるとき痛い
- 縦横の内径:手首は丸ではなく平たいため、縦と横を別々に測る
開口部は、着ける人が広げて調整するための部分ではありません。毎回広げて着ける前提だと、金属疲労による変形や破損につながります。
開かずに着けられる開口幅を、原型か試作で確かめます。測り方と数字の記録の仕方はバングル・ブレスレットのサイズの決め方で説明しています。
重さと着け心地
バングルは指輪より地金を多く使うため、重さが着け心地と地金代の両方に効きます。太くして強度を確保すると、そのぶん重くなります。
| 調整箇所 | 軽くする方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 断面 | 内側を平らにして厚みを抑える | 薄くしすぎると曲がる |
| 幅 | 幅を絞る | 幅が狭いと平打ちの強さが落ちる |
| 形 | 手首の形に沿わせて内周の無駄を減らす | 回りにくくなるぶん、着脱の確認が要る |
SV925は、同じ形ならK18やPt900より軽い素材です。重さの余裕があるぶん、太さで強度を取りやすいのがシルバーの利点です。
3Dデータの段階で概算の重さが分かります。原型の確認で重さも見て、太さを調整してから鋳造に進みます。
表面仕上げ(鏡面・マット・いぶし)
バングルは面が広く、仕上げの差がそのまま見える形です。SV925で選べる仕上げは次のとおりです。
| 仕上げ | 見え方 | 向くケース |
|---|---|---|
| 鏡面 | 光を受けて明るく光る。小傷は目立ちやすい | 贈り物、細めの形 |
| マット・ヘアライン | 落ち着いた質感。小傷が目立ちにくい | 日常使い、メンズ |
| いぶし | 溝や凹部が暗く締まり、陰影が出る | 模様や刻印を強調したい形 |
いぶしはSV925だけで使える仕上げです。日常使いのバングルは腕を動かすたびに物に当たるため、傷の目立ちにくい仕上げが安心です。
鏡面とマットを1本の中で分ける場合は、境界の位置を原型の段階で決めておきます。仕上げごとの違いはジュエリーの表面仕上げの種類で比べられます。
刻印の入れ方
バングルの内側は面が広く、刻印を入れやすい場所です。入れ方は2通りあります。
- レーザー刻印:完成後に入れる。1本ずつ内容を変えられる
- 原型への彫り込み:3Dデータの段階で入れる。追加生産のときに追加費用がかからない
1個の特注で名前や日付を入れるならレーザー刻印が向きます。ブランドのロゴを全数に入れるなら、原型に彫り込む方法が向きます。
いぶしと組み合わせると、彫り込んだ文字の溝が暗く締まって読みやすくなります。ロゴを入れる場合は依頼者が権利を持つものに限り、迷うときは弁理士などの専門家に確認してください。
1個の特注から小ロットまでの進め方
オリジナルの形は、1個だけでも設計と原型の費用がかかります。数量によって進み方が変わります。
| 数量 | 進み方 |
|---|---|
| 1個(特注) | 3Dデータで形と重さを確認し、完成品を検品して納品する |
| 2〜99個(小ロット) | 試作を承認してから、その品を基準に製作する |
小ロットでは、設計・原型の費用を数量で割れるため1個あたりの初期費用が下がります。地金代と研磨などの1個ずつの工程は、数量が増えても1個あたりは変わりません。
納期は仕様確定後およそ4週間が目安です。数量や仕上げ、修正の回数、連休で前後し、デザインを考える期間は含みません。
初回は発注時の全額前払いで、原型の着手後にキャンセルする場合はその時点までの費用がかかります。シルバーで作れる条件はシルバー製作のページにまとめています。
サイズ展開やブレスレット全般の設計はブレスレットOEMの進め方も参考にしてください。
まとめ
- SV925は細すぎると曲がるため、断面の形と太さで強度を先に設計する
- 内周と開口部は着けやすさと外れにくさの綱引きで、開かずに着けられる幅を試作で確かめる
- 重さは着け心地と地金代を決め、内側を平らにするなどで太さと軽さを両立する
- 仕上げは鏡面・マット・いぶしから選び、刻印はレーザーか原型への彫り込み
- 1個の特注でも設計・原型の費用がかかり、小ロットではその費用を数量で割れる
手首の太さと、参考になる画像があれば検討を始められます。太さと重さの案をお返ししますので、無料相談からお送りください。