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GEMILYA
実務ノウハウ約5分で読めます

AI画像からジュエリーを作る|原型設計と鋳造の工房記録

あるアクセサリーブランドから、AIで検討した深海の生き物のデザインが届きました。起きた顔と目を閉じた顔を、ペンダント・ピアス・リングにする依頼です。

工房では、共通の体から6種類の形を設計しました。途中で溝を入れた形を作って比較し、目を閉じた顔のヒレを下げ、ペンダントの大きさを調整しています。現在、金属になっているのはペンダントトップで、仕上げはこれからです。

届いたのは、AIで形と表情を検討したデザイン

ブランドの方は、AIでデザインを詰めてから相談に来られました。

最初は18案から始まっています。ピアス、ブローチ、指輪など、作る品目もまだ絞っていない段階です。

AIで描いた、アクセサリーの最初の18案

途中、ヒレが猫の耳に見えたり、頭がアザラシのように伸びたり、目がネジの頭に見えたりして、そのたびに直しています。

選ばれたのは、お餅のように平たい体と、横に寝かせた楕円のヒレです。ヒレの角度が決まったのは、第43回の比較でした。表情は、起きた顔と目を閉じた顔の2つです。

AIで最終的に決めた、起きた顔のペンダント

AIで最終的に決めた、目を閉じた顔のペンダント

この2枚をもとに、工房で立体の形を設計しました。

同じペンダントなのに、腕の数がそろわない

ジュエリーの形は、正面の1枚では決まりません。横からも、裏からも、同じ1つの形として成り立っている必要があります。

検討の途中で、ブランドの方は同じペンダントを別の方向からもAIに描かせていました。8本にしたい腕が、上からの画像では10本を超えています。

AIに同じペンダントを複数の方向から描かせた画像。腕の数やヒレの形がそろわない 正面の3案と、横・後ろ・裏・上から見た姿

工房では、最終的に選ばれたデザインをもとに、腕を8本にそろえ、裏側までつながる立体を設計しました。

実際に作る厚みや大きさも、画像だけでは決まりません。目の線は、金属にしても残る深さか。着けたときに重すぎないか。チェーンはどこに通すのか。

溝を入れるか。ヒレを下げるか。

原型設計は、目や吸盤を入れる前の体から始めました。画像にある丸みやすその波を、裏側までつながる立体にしています。

目や吸盤を入れる前の体を、上や斜め、正面、裏から見たところ

ブランドの方から、すその波に沿って浅い溝を入れた形も見たい、と相談がありました。溝を入れた形も作って元の形と並べ、選ばれたのは溝を入れない形です。

すその波に沿って浅い溝を入れた版

裏側には、8本の腕と吸盤を入れました。工房からは、吸盤を少し大きくした形も提案しています。

裏側に8本の腕と吸盤を入れたところ

途中の形を見たブランドの方から、目を閉じた顔だけヒレを下にたたみたい、と相談がありました。眠くて耳が垂れたようなイメージです。ヒレの形と大きさは変えず、角度だけを変えています。

起きた顔と目を閉じた顔を並べたところ。目を閉じた顔はヒレを下にたたんでいる 目を入れる前の比較。上が起きた顔用、下が目を閉じた顔用

目は、起きた顔に横長の目を、目を閉じた顔に三日月のような線を入れました。

目を入れた原型。起きた顔と目を閉じた顔

ピアス・ペンダント・リング用に大きさを変え、それぞれに起きた顔と目を閉じた顔を作りました。3つの大きさと2つの表情で、基本となる形は6種類です。ペンダントは、着けたときの重さを考えて少し小さくしました。

1つの原型から作った3つの大きさを、2つの表情で並べたところ 左からピアス用・ペンダント用・リング用

ペンダントの原型には、金具を取り付ける輪も設けました。リングは、モチーフの頭と指を通す輪を別々のデータにして納品しています。

リングの原型。起きた顔と目を閉じた顔の2種類

金属になったペンダントトップ

型に金属を流して形を作る鋳造を経て、金色をつけたペンダントトップです。表面にはざらつきが残り、磨きや金具の取り付けはこれからです。

金属になったペンダントトップを、机の上で斜めから見たところ

ペンダントトップを後ろから見たところ。金具を取り付ける輪が見える

金色になった体にも、横長の目とすその波が見えます。裏側には、8本の腕と吸盤の形も写っています。

手のひらにのせた裏側。8本の腕と吸盤

手のひらにのせたペンダントトップ

このあと、金属の入口だった部分(湯口)の跡を削り、表面を磨きます。いぶしで黒みをつけ、金具とチェーンを取り付けて仕上げます。

仕上げの工程はロストワックス鋳造とは?ジュエリーが1点できるまでにまとめています。

原型設計と製作の費用

画像から立体を設計する費用と、金属にして1個ずつ仕上げる費用がかかります。

AIの画像で、目指す表情と体の形は共有できました。そこから工房では、裏側を含む立体の形を設計し、品目ごとの大きさや金具の取り付け方を決めています。画像があっても、この原型設計と仕上げの仕事は必要です。

原型設計費は形の細かさによって変わり、一般的な目安は税込33,000〜55,000円程度です(税抜3万〜5万円・初回・デザインごと。この事例の請求額ではありません)。鋳造や仕上げなど、1個ごとの製作費は別にお見積もりします。

AIの画像から相談したい方へ

品目や大きさ、裏側の形が決まっていなくても構いません。目の表情や体の丸みなど、画像のどこが好きなのかを教えてください。

AIの画像から依頼するときの注意点はAIで作ったデザイン画像からジュエリーを作る、ほかの事例は製作事例で紹介しています。

気に入った画像を、LINEかお問い合わせフォームから送ってください。

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