グッズの在庫リスクを抑える作り方|売れた分だけ追加生産する
グッズの在庫リスクは、初回を「読める数」に絞り、売れた分を追加生産で埋めると抑えられます。
在庫は現金が形を変えたものなので、売れなければそのまま損失になります。
かといって数を絞れば1個あたりの単価が上がり、利益が薄くなる。この板挟みで数量を決めきれない担当者は多いはずです。
金属アクセサリーのグッズなら、判断の鍵は「型をどう残すか」と「数量をどう比べるか」の2つです。
なぜ「まとめて作ると安い」のか
まず仕組みを理解しておくと、判断がぶれません。
製作費は、大きく2種類に分かれます。
| 費用の種類 | 数量との関係 |
|---|---|
| 初期費用(原型・型の製作) | 初回にかかる。型を再利用できれば次回は抑えられる |
| 製作費(鋳造・仕上げ・メッキ) | 1個ごとにかかる |
まとめると安くなる主な理由は、初期費用を頭数で割れるからです。
10個なら初期費用を10で割り、100個なら100で割る。この差が「小ロットは割高」の大きな要因です。
一方で、バリ取り・研磨・メッキ・検品は1個ずつ行うため、数量が増えても1個あたりは変わりません。
価格は重量・素材・数量・工程の数で動きます。考え方は料金の考え方にまとめています。
逆に言えば、同じ型を再利用できれば、2回目は初期費用を頭数で割る負担を抑えられます。
型が残っていれば、2回目は身軽になる
ここが在庫リスクを下げる鍵です。
同じ仕様で原型・ゴム型を再利用できれば、追加生産では原型・型の製作費を抑えられます。
- 初回は数量を抑えて、反応を見る
- 売れたら追加で作る(型を再利用できれば型代を抑えられる)
- 売れなければ、そこで止められる
初回に賭ける金額を小さくできるのが最大の利点です。
ただし、型はいつまでも使えるわけではありません。当社では原型を最終発注から6か月保管し、ゴム型は劣化すると作り直しの費用が発生しえます。
処分前の連絡や返却など、取引条件は品質と進め方に載せています。
型の種類や寿命については型の種類と使い分けで詳しく解説しています。
初回の数量をどう決めるか
正解はありませんが、判断の軸は絞れます。
- 確実に売れる数(会場の動員数ではなく、過去の実績から)
- 追加生産が間に合うか(次の販売機会までの日数)
- 売れ残った場合、他で売れるか(ECや次のイベント)
「読める数だけ作る」のが基本です。
読めない分は追加生産で埋める前提にしておくと、初回を小さくできます。
ただし追加が間に合わない日程なら話は別です。単発のイベントで、その日しか売る機会がないなら、機会損失のほうが痛いこともあります。
どちらに転んでも困らない量を探すことになります。
判断に迷ったら、売れ残った在庫をあとで捌ける経路があるかを先に確認してください。
ECで通年売れる商品なら、次の販売機会に回せる分だけリスクは下がります。ただし売り切れる保証はなく、保管や管理の手間も続きます。
逆に日付やイベント名が入ったものは、その日を過ぎると売り先がなくなります。
同じ数量でも、あとで売れるかどうかでリスクの大きさが変わるわけです。
3つの数量で見積もりを並べて比べる
実績がない初回は、1つの数量で悩むより、少なめ・中間・多めの3案を並べると決めやすくなります。
当社の見積もりも、数量を変えた比較を並べてお出ししています。
| 比べる項目 | 確認すること | 判断に使う問い |
|---|---|---|
| 初回の支払総額 | 3案それぞれの合計 | 売れ残っても耐えられる額か |
| 1個あたりの単価 | 数量による単価の差 | 予定の販売価格で利益が残るか |
| 販売見込み | 過去の販売数や予約数 | 確実に売れるのは何個までか |
| 売れ残りの残数 | 各案から見込みを引いた数 | あとで売る経路があるか |
| 追加分が届く時期 | 追加生産の目安日数 | 次の販売機会に間に合うか |
単価の差が小さいなら、少ない案を選ぶほうが売れ残ったときの損失は小さく済みます。
1個からの初回は小ロット製作、100個以上をまとめるなら量産のページも参考にしてください。
受注生産という選択肢
在庫リスクをさらに小さくするなら、先に注文を取る方法があります。
| 進め方 | 向いている場面 |
|---|---|
| 会場で受注、後日発送 | 動員数が読めない初回 |
| ECで期間限定の受注 | ファンの居場所がオンライン中心 |
| 少量を会場、残りを受注 | 当日の熱量も拾いたい場合 |
受注生産は在庫リスクを抑えられる代わりに、納品までの日数が必要です。
在庫がゼロになるとは限りません。不良に備えた予備やキャンセル分、販売終了後に残る見本なども見込んでおきます。
「いつ届くか」を最初に明示できるかが、受注生産が成立するかの分かれ目になります。
ここで効いてくるのが、型が既にあるかどうかです。
型から作る場合と、型がある状態から追加する場合では、必要な日数が変わることがあります。
ただし型があっても、納期は追加のたびに確認が必要です。当社の目安は仕様確定後およそ4週間で、数量・石留め・メッキ・修正・連休などで前後します。
告知する到着日は、製作の目安に発送準備の日数を足し、余裕を持たせて設定するのが安全です。守れる日程で受注を始めると、離脱やクレームを減らせます。
同じ型から出し分けて、機会を増やす
型が1つあれば、そこから複数の商品を作れる場合があります。
- 素材を変える(価格帯の違う版を出す)
- 仕上げを変える(鏡面といぶしで別商品にする)
- メッキの色を変える(同じ形で色違いを展開)
型の製作負担を抑えつつ、見せ方を増やせるのが利点です。
ただし完成品の在庫は、素材・仕上げ・色ごとに分けて管理することになります。
種類を増やすほど1種類あたりの数が細かく分かれるので、初回は展開数と製作数量を絞りましょう。素材を変えるときは、同じ型を使えるかも事前に確認してください。
どこまで変えると型を作り直すことになるかは、既存商品からのバリエーション展開で整理しています。
まとめ
- 費用は「初回にかかる初期費用」と「1個ごとの製作費」に分かれる
- 小ロットが割高なのは、初期費用の分担と1個ずつの工程が効くから
- 型を再利用できれば型代を抑えられるが、保管期間とゴム型の劣化に注意する
- 初回は3つの数量で見積もりを比べ、読める数に絞る
- 同じ型で出し分けても、完成品の在庫は仕様ごとに分かれる
数量が決まっていなくても、販売機会の日程と想定価格があれば、3つの数量で見積もりを比べられます。お問い合わせからご相談ください。
数量と日程の決め方はグッズ製作のページにもまとめています。事務所やレーベル側の確認事項はタレントグッズを金属アクセサリーで作るで扱っています。
相談前に決めておく項目は発注仕様シートにまとめています。印刷して社内共有にも使えます。