アクセサリーの「型」の種類と使い分け|ゴム型・原型・金型
OEMの見積書には、よく「型代」という項目が登場します。ところが、ひとくちに「型」と言っても、実は何種類もあることをご存じでしょうか。
原型、ゴム型、石膏型、金型。それぞれ役割がまったく違い、どれを指しているかで費用や追加生産の話も変わってきます。
この記事では、アクセサリー製作に登場する型の種類と役割を整理します。見積もりや打ち合わせの内容が、ぐっと理解しやすくなるはずです。
「原型」と「型」の関係をまず整理
型の話が分かりにくいのは、「原型」と「型」が別物だからです。関係はシンプルです。
- 原型: 完成品と同じ形をした「お手本」。彫刻や3Dプリンターで作る
- 型: 原型の形を写し取った「鋳型・抜き型」。ここから複製を作る
ハンコにたとえると、原型が「彫られた印面のデザイン」、型が「押すためのハンコ本体」です。
量産で使われるロストワックス鋳造では、まず原型を作り、そこからゴム型を取り、ワックスを複製していきます。
原型の作り方は、主に2通りです。
- 手作業: 職人がワックスや金属を彫刻して作る
- 3Dプリント: CADデータから樹脂やワックスを出力して作る
どちらで作っても、その後の「型を取って複製する」流れは同じです。
アクセサリー製作で使われる型の種類
代表的な型を一覧で押さえましょう。
| 種類 | 役割 |
|---|---|
| 原型(マスターモデル) | すべての複製の元になるお手本 |
| ゴム型 | ワックスを複製するための型。繰り返し使える |
| 石膏型 | 鋳造のたびに作る使い捨ての鋳型 |
| 金型(プレス型) | 金属板を打ち抜く量産用の型 |
ゴム型:小ロット量産の主役
原型をゴムで包んで固め、切り開いて作る型です。ここにワックスを注入すれば、同じ形を何度でも複製できます。
小ロットOEMの「型代」は、多くの場合この原型+ゴム型の製作費を指します。
石膏型:毎回作り直す使い捨ての型
ワックスを石膏で埋めて焼き、金属を流し込むための鋳型です。鋳造のたびに壊して取り出すため、保管される型ではありません。
打ち合わせで話題になる「型」とは別物と覚えておけば十分です。
金型:大ロット向けのプレス用
金属板を打ち抜いたり成形したりする金属製の型です。大量生産では単価を大きく下げられます。
ただし型自体の製作費が高額になりやすく、小ロットのブランド立ち上げではゴム型方式が現実的です。
ゴム型の寿命と作り直し
ゴム型は繰り返し使えますが、永久ではありません。
- 使用を重ねるとゴムが劣化し、複製の精度が落ちていく
- 寿命は形状や使用頻度によって大きく変わる
- 劣化したら、原型または3Dデータから型を作り直す
- 原型やCADデータが残っていれば、作り直しは比較的スムーズ
だからこそ、原型や3Dデータの保管状況が長期的なブランド運営のカギになります。データ入稿の基礎はCADの入稿形式の記事を参考にしてください。
型の劣化に早めに気づくには
劣化はある日突然ではなく、じわじわ進みます。追加生産のたびに次の点を見ておくと安心です。
- 模様や文字の輪郭が、以前より甘くなっていないか
- 型の合わせ目の線(バリ)が目立ってきていないか
- 初回の量産品と並べて、細部の再現度に差がないか
初回ロットの製品を1点手元に残しておくと、劣化の判断基準として使えます。
型代と追加生産の関係
型は「初回に作って、追加生産で活きる」資産です。費用との関係を整理します。
- 型代は初回のみ発生し、追加生産では原則かからない
- 同じ型を使う限り、2回目以降は1個あたりのコストが下がる傾向
- サイズや形を変える場合は、型の修正・新規製作が必要になることがある
- 型を誰がどのくらい保管するかは、発注前に確認しておく
型代を含む費用全体の考え方は料金の考え方で、再発注時の注意点は追加生産の記事で詳しく解説しています。
まとめ
- 「原型」はお手本、「型」はそれを写し取った複製用の道具で、役割が違う
- 小ロット量産の主役はワックスを複製するゴム型。見積もりの型代は主にこれ
- 石膏型は使い捨て、金型は大ロット向けと、それぞれ守備範囲が異なる
- ゴム型には寿命があり、原型やデータの保管が追加生産の安心につながる
「このデザインだと型代はどう考えればいい?」といった段階のご相談も歓迎です。無料相談からお気軽にどうぞ。