本文へ移動
GEMILYA
素材・製法約6分で読めます

アクセサリーの「型」の種類と使い分け|ゴム型・原型・金型

アクセサリーの「型」を理解するには、まず原型と、ゴム型・鋳型・金型を区別します。原型は形の元になるモデルで、複製用の型そのものではありません。

小ロットのロストワックス鋳造で中心になるのは、原型とゴム型です。鋳型は鋳造のたびに作る使い捨ての型です。金型は、主に金属板のプレス加工で使われます。

OEMの見積書には、よく「型代」という項目が登場します。どの工程の費用なのかを読み分けられると、見積もりや打ち合わせがぐっと理解しやすくなります。

「原型」と「型」の関係をまず整理

型の話が分かりにくいのは、「原型」と「型」が別物だからです。関係はシンプルです。

  • 原型: 完成品と同じ形をした立体の見本。彫刻や3Dプリンターで作る
  • 型: 原型の形を写し取った複製用の道具。ゴム型・鋳型・金型がある

原型は立体の見本で、ゴム型はその形を写した空洞を持つ道具です。空洞にワックスを注入して、形を複製します。

ロストワックス鋳造でゴム型を使う場合、形は次の順に受け渡されます。工程を簡単にした模式的な流れです。

  1. 原型を作る(保管しておけば再利用できる)
  2. 原型からゴム型を取る(繰り返し使用する)
  3. ゴム型にワックスを注入し、複製ワックスを作る
  4. 複製ワックスを埋没材で埋めて焼き、鋳型を作る(ワックスはここで溶けて失われる)
  5. 鋳型に金属を流し込み、鋳型を壊して鋳造品を取り出す

原型の作り方は、一般に主に2通りです。

  • 手作業: 職人がワックスや金属を彫刻して作る
  • 3Dプリント: CADデータから樹脂やワックスを出力して作る

どちらで作っても、ゴム型を取る場合の「型で複製する」流れは同じです。

GEMILYAでは、手作りの原型か、3D CADデータから光造形で出力した原型を使います。そこからロストワックス鋳造で製作します。

ゴム型が要るかは数量だけで決まらない

ゴム型が必ず要るとは限りません。一般に、鋳造できる材質の原型なら、1個だけそのまま鋳造する方法もあります。

ただし原型をそのまま鋳造すると、原型は鋳型を焼く段階で失われます。1個でも、原型の材質や工程によってゴム型を取る場合があり、数量だけでは要否が決まりません。

作りたいもの 一般的な進め方 ゴム型を取る主な理由
1個だけ 原型をそのまま鋳造する方法もある 金属の原型など、そのまま鋳造できない
同じ形を複数 ゴム型でワックスを複製する 同じ形をそろえて作る
後で追加生産の予定あり 原型を残し、ゴム型で複製する 原型を失わずに複製を続ける

どの進め方になるかは、原型の材質や形状と合わせて製造先に確認しましょう。1個から作る場合の進め方は1個からの小ロット製作で紹介しています。

アクセサリー製作で使われる型の種類

原型と、複製に使う3種類の型を一覧で押さえましょう。

名称 役割
原型(マスターモデル) 複製の元になる見本。型そのものではない
ゴム型 ワックスを複製するための型。繰り返し使える
鋳型(埋没材) 鋳造のたびに作る使い捨ての型
金型(プレス型) 金属板を打ち抜く・成形する量産用の型

ゴム型:小ロット量産の主役

原型をゴムで包んで固め、切り開いて作る型です。ここにワックスを注入すれば、同じ形を繰り返し複製できます。

見積書の「型代」に原型製作とゴム型製作のどちらが含まれるかは、会社によって異なります。項目名だけで判断せず、内訳を確認しましょう。

鋳型(埋没材):毎回作り直す使い捨ての型

ワックスを鋳造用の埋没材で埋めて焼き、金属を流し込むための型です。鋳造のたびに壊して製品を取り出すため、保管される型ではありません。

埋没材は、地金や鋳造条件に応じて選びます。一般に金や銀では石膏系、融点の高いプラチナでは別系統の埋没材が使われます。

  • 「石膏型」と呼ばれることもある
  • 鋳造のたびに作るため、再利用や保管の対象にならない
  • 費用は、原型やゴム型とは別の鋳造工程として考える

金型:プレス加工で使う金属の型

金型にはさまざまな用途がありますが、この記事では金属板を打ち抜いたり成形したりするプレス型を取り上げます。形状が合えば、大量生産で1個あたりの費用を下げやすい方式です。

一方で型自体の製作費が高くなりやすく、向く形状も限られます。どちらの方式が合うかは、形状・数量・再発注の予定で変わります。

  • 平たい板状の形を大量に作る: プレス型が候補になる
  • 立体的な形、少量から始める: ゴム型を使う鋳造が検討しやすい
  • 追加生産の見込みが読めない: 初期費用と再発注時の扱いを比べて決める

GEMILYAはロストワックス鋳造で製作しており、100個以上の中ロット・量産も同じ方式でご相談いただけます。

ゴム型の寿命と作り直し

ゴム型は繰り返し使えますが、永久ではありません。

  • 使用を重ねるとゴムが劣化し、複製の精度が落ちていく
  • 寿命は形状や使用頻度によって大きく変わる
  • 劣化したら、原型からゴム型を作り直す
  • 原型がなくCADデータだけ残っている場合は、原型の出力からやり直す
  • 作り直しには、その分の費用が発生することがある

だからこそ、原型や3Dデータの保管状況が長期的なブランド運営のカギになります。データ入稿の基礎はCADの入稿形式の記事を参考にしてください。

GEMILYAでは、原型を最終発注から6か月保管し、処分前にご連絡します。希望があれば返却も可能で、詳しい条件は品質と進め方にまとめています。

型の劣化に早めに気づくには

追加生産のたびに、次の点を初回品と見比べておくと安心です。

  • 模様や文字の輪郭が、以前より甘くなっていないか
  • 型の合わせ目の線(バリ)が目立ってきていないか
  • 初回の量産品と並べて、細部の再現度に差がないか

輪郭や合わせ目の変化は、製造先に確認するきっかけになります。研磨などの仕上げでも見え方は変わるため、見た目の差だけでゴム型の劣化と断定しないでください。

初回ロットの製品を1点手元に残しておくと、相談時の比較の基準として使えます。

型代と追加生産の関係

型は「初回に作って、追加生産で活きる」資産です。ただし、いつまでも追加費用なしで使えるわけではありません。

  • 使える原型・ゴム型を再利用できれば、その新規製作費は抑えられる
  • ゴム型の劣化や仕様変更があると、再製作費が生じることがある
  • 製品の単価は、数量や地金相場などを含めて改めて見積もる
  • サイズや形を変える場合は、型の修正・新規製作が必要になることがある
  • 再発注の前に、原型が保管期間内に残っているかを確認する

見積書で型の費用を読み分けるポイント

「型代」という名称だけでは、どこまでの費用か分かりません。次の3つの工程に分けて確認すると、追加生産時の費用も予測しやすくなります。

見積書の工程 中身 追加生産で再利用できる条件
原型製作 手作業や3Dプリントで見本を作る 原型が残り、仕様が変わっていない
ゴム型製作 原型からワックス複製用の型を取る ゴム型が使える状態。劣化時は作り直し
鋳造(鋳型) 埋没材で型を作り、金属を流し込む 再利用できず、鋳造のたびに発生する

型代を含む費用全体の考え方は料金の考え方で、再発注時の注意点は追加生産の記事で詳しく解説しています。

まとめ

  • 原型は形の元になる見本で、ゴム型・鋳型・金型は複製に使う型と区別する
  • ゴム型が要るかは数量だけでは決まらず、原型の材質や追加生産の予定でも変わる
  • 鋳型(埋没材)は使い捨て、金型(プレス型)は形状と数量が合う量産向けと、守備範囲が異なる
  • 見積書では、原型製作・ゴム型製作・鋳造の工程を分けて確認する
  • ゴム型には寿命があり、劣化時は再製作費が生じうるため、原型の保管も確認しておく

型の費用を含めて見積もりを取りたい場合は、発注仕様シートに数量・原型の有無・追加生産の予定を書いて無料相談へお送りください。

作りたいものが決まっていなくても大丈夫です

「こんなものは作れる?」の一言だけでも構いません。LINEまたはメールフォームから、気軽にご相談ください。

LINEで相談フォームで相談