事務所がグッズを発注する前のチェックリスト|権利・数量・日程・監修
グッズの発注は、社内の確認事項が多い仕事です。
権利、監修、数量、日程、予算。どれか一つでも後ろ倒しになると、製造ではなく承認の待ち時間で日程が消えます。
このページでは、事務所やレーベルのご担当者が発注前に押さえておく項目を、実務で決まる順番に並べました。金属アクセサリーを想定していますが、考え方は他のグッズでも使えます。
権利:最初に確認する
着手してからの手戻りが最も大きいのが権利です。企画の一番はじめに片づけます。
| 確認すること | 誰に確認するか |
|---|---|
| ロゴ・シンボルの利用範囲 | 権利を保有する事務所・レーベル |
| 写真やイラストの二次利用 | 撮影者・制作者 |
| 既存デザインの流用可否 | そのデザインの権利者 |
許諾は「使ってよい」だけでなく、どこまで使ってよいかまで確認します。 製造、改変、再委託、販売、販促での掲載まで含むかどうかで、進め方が変わります。
第三者のデザインを写し取る形での製作は、当社ではお受けできません。判断に迷う場合も、着手前にご相談ください。
監修:何回、誰が見るか
監修が入る案件では、確認の回数と担当者を先に決めておきます。
- デザイン案の確認(1回目)
- 原型・データの確認(2回目)
- 試作品の確認(3回目)
回数が読めないと、日程も読めません。「誰が最終的にOKを出すか」を1人に決めておくと、差し戻しが減ります。
各段階で何が決まるかは品質と進め方にまとめています。
数量:読める数から始める
グッズで最もこわいのは売れ残りです。かといって絞りすぎると単価が上がります。
初回と追加に分けて考えると、この板挟みは解けます。
- 初回は確実に掃ける数を作る
- 反応を見て、同じ型で追加する
- 完売しても、会場受注や通販の予約で拾う
最低ロットは設けていないため、初回を小さく始められます。詳しくはグッズの在庫リスクを抑える作り方をご覧ください。
日程:承認の時間を別枠で見る
制作の目安は、仕様が確定してからおよそ4週間です。数量、石留めやメッキの有無、試作での修正回数によって前後します。
この4週間に、次の期間は含みません。
- デザインの検討と修正
- 権利者・社内の承認
- 販売ページや告知物の準備
実務では、この承認待ちが最も読みにくい時間です。開催日が決まっている場合は、逆算して「いつまでに何を決めるか」を先にお渡しします。
日程の組み方はイベントから逆算するグッズ製作スケジュールで詳しく扱っています。
予算:上代から逆算する
先に価格を告知することが多いので、上代が制約条件になります。
- 上代を決める
- 販売経路の手数料と、確保したい利益を引く
- 残りが1個あたりにかけられる製作費になる
- その範囲に収まる素材・重量・仕上げを選ぶ
収まらない場合は、重量、素材、工程の数、数量の順に調整します。考え方は料金についてにまとめました。
納品:会場か、事務所か
見落とされやすいのが納品条件です。発注前に決めておきます。
- 納品先は1か所か、会場と事務所に分けるか
- 個包装や台紙が必要か
- 検品で特に重視する点は何か(刻印の見え方、色味、寸法など)
物販では個包装が必要になることが多く、あとから足すと日程にも費用にも響きます。
社内で先に共有しておくこと
発注そのものより、社内の合意形成に時間がかかることがあります。先に共有しておくと止まりません。
| 共有すること | 誰と |
|---|---|
| 上代と目標の粗利 | 物販・経理の担当 |
| 監修の回数と最終決裁者 | マネジメント |
| 数量と、売れ残った場合の扱い | 物販の担当 |
| 権利の確認状況 | 法務または管理部門 |
「誰が最終的にOKを出すか」と「いくらまでなら出せるか」の2つが決まっていれば、あとは進みます。
見積もりを社内に出すとき
そのまま稟議に添付できる形でお出しします。
- 初期費用(原型・型)と1個あたりの単価を分けて記載
- 数量を変えた場合の単価の比較
- 納品希望日に対して間に合うかどうか
代替案が必要な場合は、どこを変えれば予算に収まるかもあわせてお返しします。
まとめ
- 権利は企画の最初に確認する。許諾の範囲まで押さえる
- 監修の回数と、最終決裁者を1人に決めておく
- 初回は読める数に絞り、追加生産と会場受注で拾う
- 制作の目安は仕様確定後およそ4週間。承認期間は別枠で見る
- 上代から逆算し、合わなければ重量・素材・工程・数量の順に調整する
- 納品先、個包装、検品で重視する点を発注前に決める
開催日と、作りたいもののイメージだけでご相談いただけます。決まっていない項目があっても構いません。お問い合わせからどうぞ。相談前に決めておく項目は発注仕様シートにまとめています。