イベントから逆算するグッズ製作スケジュール|間に合わせる段取り
グッズ製作でもっとも多いトラブルは、間に合わないことです。
価格の交渉は後からでもできますが、開催日だけは動きません。
しかも遅れる原因は、製造そのものより前の工程に集中しています。ここを知っているかどうかで、余裕がまったく変わります。
この記事では、金属アクセサリーのグッズを想定して、日程から逆算する段取りを整理します。
逆算は「納品日」からではない
まず出発点を間違えないことです。
逆算の起点は、開催日ではありません。
| 起点にすべき日 | 理由 |
|---|---|
| 会場搬入日 | 当日の朝に届いても間に合わない |
| 検品を終える日 | 不足や不良が見つかったら詰む |
| 販売開始の告知日 | 写真が必要なら現物か試作が要る |
| 予約受付の開始日 | 受注生産なら、ここが実質の締切 |
告知に写真が必要な場合、実物が必要になる日は本番よりずっと前です。
ここを見落として、完成品はできたのに告知に間に合わなかった、という失敗が起きます。
告知が遅れると、売る期間そのものが短くなります。
同じ物を同じ日に納品しても、告知が1週間遅れれば売上は変わります。逆算はここから始めてください。
遅れが出るのは製造ではなく「決めるところ」
工程を並べると、こうなります。
- デザインを決める
- 原型を作る
- 型を作る
- 鋳造する
- 仕上げ・メッキをする
- 検品して納品する
このうち後半の工程は、日数がある程度読めます。
読めないのは前半、特にデザインの確定です。
社内の承認が必要な場合、その往復が最大の変数になります。関係者が多いほど伸びます。
対策はシンプルで、承認の回数を先に決めておくことです。
「ラフで1回、3Dの確認で1回、試作で1回」のように区切っておくと、無限に往復しません。
誰が最終決定するかも、最初にはっきりさせておきます。ここが曖昧だと、完成間際に別の人の意見が入って戻ります。
先に決めておくと速いこと
原型に入る前に固めておくと、工程が止まりません。
- 完成イメージ(手描きでも参考画像でもかまいません)
- 素材と仕上げの方向性
- おおよその数量(後から増減はできます)
- 刻印する文字やロゴの有無
特に刻印は後出しで追加されやすい項目です。
「あとでロゴを入れたい」と後から出ると、原型からやり直しになることがあります。最初に決めておくと安全です。
データの入稿形式や、手描きから起こす場合の進め方は制作の流れにまとめています。
数量が増えると、どこが伸びるか
数を増やしても、全工程が比例して伸びるわけではありません。
| 工程 | 数量が増えたときの影響 |
|---|---|
| 原型・型の製作 | ほぼ変わらない |
| 鋳造 | まとめて流せるため、比例はしない |
| 仕上げ・メッキ・検品 | 1個ずつのため、数に応じて伸びる |
つまり数量の影響を受けるのは、主に後半の工程です。
数を増やす判断は、後半の日数に余裕があるかで決まります。ここは早めに相談しておくと、直前の増産にも対応しやすくなります。
石留めや刻印を入れる場合は、さらに1個ずつの作業が増えます。
装飾を増やすほど、数量の影響を受けやすくなると考えてください。
日程が厳しいときは、仕様を削るのが最も確実な短縮方法になります。
余裕を作るための現実的な手
日程が厳しいとき、打てる手はいくつかあります。
- 仕上げの種類を、工程の短いものに寄せる
- 初回の数量を絞り、追加生産で埋める
- 告知用の写真を、量産前の試作で先に撮る
3つ目は特に有効です。試作が1個できた時点で撮影に入れるので、告知のスケジュールを前倒しできます。
逆に、やってはいけないのは仕様を途中で足すことです。
日程が厳しいときほど「ついでにこれも」が起きますが、原型に戻る変更は日数を大きく食います。
削るのは間に合うが、足すのは間に合わないと考えておくと判断を誤りません。
初回を絞る考え方はグッズの在庫リスクを抑える作り方で解説しています。
まとめ
- 逆算の起点は開催日ではなく、搬入日・検品日・告知日
- 遅れの原因は製造よりデザイン確定と社内承認に集中する
- 刻印やロゴは後出しになりやすいので、最初に決めておく
- 数量の影響を受けるのは仕上げ・検品などの後半工程
- 告知写真は試作で先に撮ると、日程に余裕が生まれる
日程が決まっているなら、まずその日をお知らせください。開催日から逆算して、いつまでに何を決める必要があるかをご案内します。数量が未定でもご相談いただけます。