グッズ製作スケジュール|イベント納期から逆算する段取り
金属アクセサリーのグッズは、仕様確定後およそ4週間での納品が目安です。
数量・石留め・メッキ・修正回数・連休で前後し、デザイン検討や社内承認の期間は含みません。
開催日だけは動かせないため、搬入日と告知日から逆算して「仕様を決める締切」を先に置きます。
上代・予算・仕様・日程は、発注前にまとめてすり合わせておくと手戻りが減ります。
逆算は「納品日」からではない
まず出発点を間違えないことです。
逆算の起点は、開催日ではありません。
| 起点にすべき日 | 理由 |
|---|---|
| 会場搬入日 | 当日の朝に届いても間に合わない |
| 検品を終える日 | 不足や不良が見つかったら詰む |
| 販売開始の告知日 | 写真が必要なら現物か試作が要る |
| 予約締切・数量確定日 | 受注生産は受付開始日とは別に管理する |
告知に写真が必要な場合、実物が必要になる日は本番よりずっと前です。
ここを見落として、完成品はできたのに告知に間に合わなかった、という失敗が起きます。
告知が遅れると、売る期間そのものが短くなります。同じ日に納品しても、告知が遅れれば売上は変わりえます。
逆算は、次の2つに分けて組みます。
納品側の逆算
- 会場搬入日を置く
- 輸送と受け入れ検品の日数を引き、納品希望日を置く
- 納品希望日からおよそ4週間を引き、仕様確定の締切を置く
- デザイン検討と社内承認の期間を引き、相談開始日を決める
見積もり承認と入金確認も、工程表に日付を入れておきます。
告知側の逆算
- 販売開始の告知日を置く
- 撮影と画像制作の日数を引き、試作品が必要な日を置く
- その日に試作が間に合うか、納品側の日程と照らし合わせる
受注生産の場合は、予約受付開始・予約締切・数量確定・製作開始を別の日として管理します。
受付開始日は締切ではありません。締切後に数量を確定し、そこから製作が始まります。
支払いの時期など取引条件は品質と進め方で確認できます。
日程が読みにくいのは「決めるところ」
工程を並べると、こうなります。
- デザインを決める
- 見積もりを承認して発注する
- 原型を作る
- 型を作る
- 鋳造する
- 仕上げ・メッキをする
- 検品して納品する
後半の工程は日数がある程度読めますが、数量・仕様・工場の稼働状況などで前後します。
前半、特にデザインの確定は、社内の決め方しだいで日数が大きく変わります。
社内の承認が必要な場合は、関係者が多いほど往復が増えやすくなります。
対策は、確認の段階ごとに担当と期限を先に決めることです。
「ラフで1回、3Dの確認で1回、試作で1回」のように区切り、各段階で次の項目を決めておきます。
| 決めること | 内容の例 |
|---|---|
| 確認担当 | ラフ・3D・試作のそれぞれを誰が見るか |
| 最終決裁者 | 1人に決め、途中で増やさない |
| 回答期限 | 各段階で「何日以内に返すか」を社内で決める |
| 修正範囲 | 試作段階では、原型に戻らない範囲の修正か確認する |
| 再修正時の対応 | 期限超過や再修正が出たら、納品日を再確認する |
誰が最終決定するかが曖昧だと、完成間際に別の人の意見が入って戻ります。
先に決めておくと速いこと
原型に入る前に固めておくと、工程が止まりません。
- 完成イメージ(手描きでも参考画像でもかまいません)
- 素材と仕上げの方向性
- おおよその数量(変更できるかは進行段階によります)
- 刻印する文字やロゴの有無
特に刻印は後出しで追加されやすい項目です。
「あとでロゴを入れたい」と後から出ると、原型からやり直しになることがあります。最初に決めておくと安全です。
数量の変更は、進行段階によって可否・費用・納期が変わります。
確定前に数量を変えた見積もりを並べて比べ、変更したいときは日程と費用を再確認します。量産開始後の減数・キャンセルはできません。
データの入稿形式や、手描きから起こす場合の進め方は制作の流れにまとめています。
数量が増えると、どこが伸びるか
数を増やしても、全工程が比例して伸びるわけではありません。
| 工程 | 数量が増えたときの影響 |
|---|---|
| 原型の製作 | 同じ原型を共用できれば、ほぼ増えない |
| ゴム型の製作 | 数量によっては型を複数用意することがある |
| 鋳造 | まとめて流せるが、数量によって回数が増える |
| 仕上げ・メッキ・検品 | 1個ずつのため、数に応じて伸びる |
つまり日数への影響が大きいのは、主に後半の工程です。
ただし前半も無関係ではないため、数量ごとに次の点を確認します。
- 原型を共用できるか(色違い・メッキ違いなど)
- 必要なゴム型の数
- 鋳造を何回に分けるか
- 仕上げ・メッキ・検品の工程を確保できるか
数を増やせるかは、これらの日程に余裕があるかで決まります。早めに相談しておくと、増産できるかも判断しやすくなります。
100個以上の中ロット・量産の進め方は中ロット・量産のページで紹介しています。
石留めや刻印を入れる場合は、さらに1個ずつの作業が増えます。
装飾を増やすほど、数量の影響を受けやすくなると考えてください。
日程が厳しいときは、仕様を減らしたり数量を調整したりして短縮できる場合があります。
ただし進み具合と工程の空きしだいなので、変更後の日程を確認してから判断します。
余裕を作るための現実的な手
日程が厳しいとき、打てる手はいくつかあります。
- 仕上げの種類を、工程の短いものに寄せる
- 初回の数量を絞り、追加生産で埋める
- 告知用の写真を、量産前の試作で先に撮る
3つ目は特に有効です。試作が1個できた時点で撮影に入れるので、告知のスケジュールを前倒しできます。
試作と量産品で仕上げやメッキが違う場合は、写真に注記を入れるか、同じ仕様の試作を用意します。
逆に避けたいのは、仕様を途中で足すことです。
日程が厳しいときほど「ついでにこれも」が起きますが、原型に戻る変更は日数を大きく食います。
足す変更は日程を大きく動かしやすいと考えておくと、判断を誤りにくくなります。減らす変更でも、短縮できるかは進み具合しだいです。
初回を絞る考え方はグッズの在庫リスクを抑える作り方で解説しています。
まとめ
- 納期の目安は仕様確定後およそ4週間。搬入日と告知日の2つから逆算する
- 受注生産は、予約締切・数量確定・製作開始を別の日で管理する
- 承認は段階ごとに、担当・最終決裁者・回答期限を先に決める
- 数量変更の可否は進行段階で変わり、量産開始後の減数はできない
- 告知写真は試作で先に撮ると、日程に余裕が生まれる
搬入日と告知日が決まっているなら、まずその日をお知らせください。いつまでに何を決める必要があるかを逆算してご案内し、数量が未定でもご相談いただけます。
タレントグッズ・企業ノベルティの進め方はグッズ製作のページにまとめています。原価と上代の決め方はグッズの原価と上代の決め方をご覧ください。
相談前に決めておく項目は発注仕様シートにまとめています。印刷して社内共有にも使えます。