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ジュエリーOEMの依頼先を変える前に|データ・原型・仕様書の確認事項

ジュエリーOEMの依頼先を変えるときの進め方は、手元に何が残っているかで決まります。最終版の3Dデータや原型があれば、次の依頼先も同じ形から作り始められます。

製品や承認見本しかなければ、3Dスキャンか原型の作り直しから始めます。何を受け取れるかは今の依頼先との契約次第です。切り替えを伝える前に確認しておきましょう。

工場が変わると、仕上がりの見え方が変わることもあります。試作で差を確かめてから、数量を発注すると安全です。

先に結論:切り替えは「手元に何が残っているか」で進め方が決まる

次の依頼先でどこから始めるかは、次のように変わります。

  • 最終版の3Dデータがある:データの確認と試作から始められる
  • 金属の原型(複製のもとになる形)がある:ゴム型を新しく作り、試作へ進む
  • 製品・承認見本(前にOKを出した見本)だけ:3Dスキャンか原型の作り直しから
  • 写真やイメージだけ:新しいデザインとほぼ同じ進め方になる

リストの下にいくほど、形を作り直す手間と確認の回数が増えます。オリジナルの形を作り直すなら、設計や原型の費用もあらためてかかります。

よくある失敗は、今の依頼先との取引を終えてから資料を集め始めることです。

  • 保管期限が過ぎて、原型がすでに処分されていた
  • 受け取ったデータが、修正を反映する前の版だった
  • 在庫が切れてから動き出し、切り替えの途中で欠品した

在庫に余裕があるうちに、資料の確認から始めましょう。

手元に残っている物ごとの進め方

手元にある物 次の依頼先でできること 注意点
3Dデータ(.3dm・.stpなど編集できる形式) 寸法を確認・調整して試作へ進む 修正を反映した最終版か
3Dデータ(.stlのみ) 出力して試作できることが多い 形を直すのに手間がかかりやすい
金属の原型 ゴム型を新しく作って複製する 傷や変形がないか。どの商品の原型か
ゴム型(ロウの型を何個も作るための型) 使えるかどうかを次の依頼先が判断する 消耗品。設備に合わないこともある
仕様書 地金・メッキ・仕上げ・石の指定をそろえる 口頭で決めた変更が抜けていないか
承認見本・製品 3Dスキャンや手作りの原型で形を作り直す 製品から型を取ると小さくなりやすい
写真だけ 写真を参考に原型を新しく作る 寸法・重量は旧仕様書や過去の記録から探す

いちばん頼りになるのは、修正をすべて反映した最終版のデータか原型です。途中で原型を手作業で直していると、データと製品の形が合わないことがあります。

そのため、拡張子だけでは引き継げるかどうかを判断できません。データの中身、最終製品と形が合っているか、直したい箇所を伝えて、次の依頼先に確認してもらいましょう。

樹脂やロウ(ワックス)の原型は熱に弱く、そのままではゴム型を取れないことがあります。いったん金属で鋳造して、それを原型にするのが一般的です。

鋳造した製品は、原型より少し縮みます。製品をもとに型を作ると一回り小さくなりやすいので、リングの号数などは補正が必要です。

写真しかない場合は、旧仕様書・商品情報・過去の測定記録から寸法と重量を探します。わからない値は推測で決めず、形を作り直す段階で決めましょう。

原型が残っていない場合は、廃番商品を再生産する方法で詳しく説明しています。

今の依頼先に確認する質問の例

いきなり渡してもらうより、まず何が残っているかを聞くほうが話が進みやすくなります。

  • データ:「製品に使った最終版の3Dデータは残っていますか。形式は何でしょうか」
  • 原型:「原型は今も保管されていますか。保管期限と返却の条件を教えてください」
  • ゴム型:「ゴム型はどのように保管されていますか。処分の予定はありますか」
  • 費用:「原型代や型代は、過去の見積もりのどの項目に入っていましたか」
  • 仕様:「地金・メッキの種類・仕上げ・重量の記録を共有いただけますか」

データや原型には依頼先の技術が含まれています。有料になったり、渡せないと言われたりすることもあります。

回答はメールなど文面で残しましょう。依頼文の書き方は修正指示とやり取りのコツも参考になります。

データ・原型の権利と受け渡しで確認すること

「形のデザイン」「原型や型という物」「3Dデータ」は分けて考えます。それぞれを誰が持つかは、契約の内容で変わります。

分けて考えるもの 確認する書類 思い込みやすいこと
デザイン(形そのもの) 契約書・発注書・利用規約 自分で考えた形なら自由に使える
原型・ゴム型(物) 見積書や請求書の項目、保管の規定 型代を払えば受け取れる
3Dデータ 契約書、データを作ったのは誰か 自分の資料から作ったデータは自分のもの

右の列は、契約によってはどれも当てはまらないことがあります。型代を払ったかどうかと、型を受け取れるかどうかは分けて確認しましょう。

  • 契約書に、原型・型・データの扱いが書かれているか
  • 見積書で、原型代・型代・CAD代が別の項目になっていたか
  • 依頼先が作ったデータを、ほかの会社で使ってよいか
  • 保管期限が過ぎたあと、処分されるのか返却されるのか
  • ロゴやキャラクターの許諾に、新しい依頼先での製作も含まれるか

判断に迷うときは、弁護士や弁理士に相談してください。

次の依頼先でも、保管の条件は発注前に確認しておきましょう。当社は原型を最終発注から6か月保管し、処分する前にご連絡します。希望があれば原型は返却します。

ゴム型は消耗品です。劣化すると原型から作り直すため、費用が発生する場合があります(詳しくは品質と進め方)。

新しい依頼先に渡す資料一式

資料がそろっているほど、見積もりや試作のずれが小さくなります。

  • 3Dデータ(最終版とわかるファイル名にして、形式も伝える)
  • 原型、または製品・承認見本の現物
  • 仕様書(地金、メッキの種類、仕上げ、石の種類とサイズ、石留め、刻印、金具)
  • 実際に測った数値(サイズ、重量、厚み)
  • 写真(正面・横・裏・刻印の拡大)
  • 変えたい点と、変えたくない点
  • 数量と、次に必要になる時期

変えたい点と変えたくない点は分けて書くと、乗り換える目的が伝わります。「メッキの色がロットごとにぶれた」など理由がわかれば、次の依頼先も確認の手順を提案しやすくなります。

返してほしい現物は、送る前にそう伝えておきます。

仕様書が残っていなくても、発注仕様シートに確認できた項目から記入すれば整理できます。わからない項目は空欄にせず「未確認」と書いておきましょう。

当社では.3dm・.stl・.igs・.stpのデータで入稿できます。複製・改変をお受けするのは、依頼者が権利を持つもの、または権利者の許諾があるものに限ります。

同じ仕上がりに近づけるための試作の見方

試作品は、承認見本や今の製品と並べて比べます。同じ仕様でも工場が変わると差が出る場合があるため、合意した確認項目と許せる範囲に照らして判断します。

見る項目 比べ方 差が出やすい理由
サイズ・重量 ノギス(寸法を測る道具)とはかりで数値を比べる 縮みや原型の違い
メッキの色 同じ照明の下で並べて見る メッキの種類・下地・厚みの指定
仕上げ 映り込みや、いぶし(黒ずませる仕上げ)の濃さを見る 研磨やいぶしの手作業の加減
石留め 爪の高さ、石のぐらつき、引っかかり 留め方の違い
裏側・刻印 刻印の位置と深さ、裏側の処理 仕様書に書かれていないことが多い

どこまでの差なら許すかは、試作を見る前に決めておきましょう。

  • 許せる範囲に収まっている:数量の発注へ進む
  • 仕様書に指定を足せば直る差:指定を足して、もう一度確認する
  • 形そのものの差:データか原型の段階まで戻る

試作で見る項目はサンプル確認チェックリストにまとめています。

まとめ

  • 進め方は、手元に残っている物で決まる
  • 取引を終える前に、データ・原型・仕様書が残っているかと保管期限を聞く
  • デザイン・型・データの扱いは契約次第なので、書類で確かめる
  • 新しい依頼先には、変えたい点と変えたくない点を分けて伝える
  • 試作品は見本と並べ、許せる差の範囲を先に決めてから判断する

手元の資料で何ができるかわからない段階でも、ご相談いただけます。残っている物をリストにして、無料相談からお知らせください。

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