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オリジナルのネクタイピン・カフス製作|周年記念・社名入りの進め方

社名入りのネクタイピンやカフスは、2つの部分に分けると決めやすくなります。ロゴを立体にする「装飾部」と、ネクタイやシャツに留める「金具」です。

装飾部は原型から鋳造してオリジナルで作ります。クリップや回転式の留め具は、既製部品から選んで組み合わせるのが基本です。

記念品として発注するなら、先に固めたいのは3点です。「誰に何本配るか」「名入れは共通か個別か」「いつ手元に届けるか」を決めます。カフスは左右で1組になるため、数え方も最初にそろえておきます。

ネクタイピン・カフスは装飾部と金具に分けて考える

どちらの品目も、見た目を決める部分と、身につけるための機構でできています。分けておくと、相談する内容と確認項目が整理できます。

部位 中身 決め方
装飾部 ロゴ・社章・周年の数字を立体にした面 原型を作り、ロストワックス鋳造で製作
タイピンの金具 バネ式クリップ、タイタックのピンと留め具 既製部品から形と長さを選ぶ
カフスの金具 回転式・固定式・チェーン式など 既製部品から着脱のしやすさで選ぶ

オリジナルにするのは装飾部で、金具は既製品の中から選ぶという前提で進めます。そうすると、見積もりや試作の話が早く進みます。

金具を選ぶときは、次の点を確認しておきます。

  • タイピンは挟むクリップ型か、穴を開けて留めるタイタック型か
  • カフスはシャツのボタン穴に通しやすい機構か
  • 配る相手が、カフスを着けられる袖口のシャツを持っているか
  • 金具の色が、装飾部の地金やメッキの色と合うか
  • 装飾部と金具の固定方法(地金と金具の組み合わせで変わる)

カフスが使えるのは、ダブルカフスなど袖口の両側にボタン穴があるシャツです。一般的なボタン留めの袖口には着けられません。

対応するシャツを持たない人が多いなら、タイピンと選べる形にするか、別の品目を用意します。

法人の記念品全体の進め方はグッズ・ノベルティ製作にまとめています。

周年記念・表彰・社員向けで決めること

同じネクタイピンでも、目的によって優先する項目が変わります。社内で目的を1つに絞ってから仕様を詰めます。

用途 優先したいこと 決める項目
周年記念(全社員) 全員に期日までに行き渡ること 配布人数、予備数、共通刻印
表彰・永年勤続 1本ごとの特別感 地金、個別刻印、ケース
社員の日常使い 着けやすさと耐久性 金具の形、重さ、仕上げ

表彰用はK18やK10、全社員向けはシルバー925や真鍮+メッキ、という分け方がよく検討されます。品目や素材の選び方は周年ノベルティの選び方も参考になります。

よくある失敗は、配布人数ぴったりで数量を決めてしまうことです。次のような抜けが起きがちです。

  • 当日の欠席者や、後日入社する人の分を見込んでいない
  • 表彰用と全社員用が同じ仕様で、特別感の差が出ない
  • ネクタイを締めない社員の分をどうするか決めていない
  • カフスを配ったのに、対応するシャツを着ない人が多い

最後の2点は、タイピンやカフスにこだわらない案もあります。チャームなど別の品目を並行して用意し、本人が選べるようにします。

ロゴを小さな面に入れるときの注意

タイピンの装飾部は細長く、カフスの面も指先ほどの大きさです。名刺用のロゴをそのまま縮めると、細部が潰れやすくなります。

鋳造後は、バリ取りや研磨で表面を整えます。細い線や小さな文字は、この工程やメッキで角が丸くなります。

確認したいポイントは次のとおりです。

  • 社名の下に入る小さな英文など、細かい要素を省けるか
  • 線と線の隙間が狭すぎて、埋まって見えないか
  • 凹凸の高低差で見せるか、鏡面とマットの切り替えで見せるか
  • いぶしや部分メッキで、ロゴと地の色に差をつけるか

小さな面では、ロゴの簡略版が必要になることが多いです。どこまで細かく出せるかは地金や仕上げで変わるため、試作の実物で判断します。

簡略化する場合は、自社ロゴでもブランドの使用規定で改変が認められているか先に確認します。改変できないときは、次のように見直します。

  • ロゴを入れる面積を広げる(装飾部を大きくする、面の広いデザインにする)
  • 立体にせず、刻印やいぶしの色差で表現する
  • ロゴはケースや台紙に入れ、本体は社名や周年の数字にする

取引先や協賛企業のロゴを入れる場合は、使うことだけでなく簡略化などの改変についても、事前に先方の許諾を取っておきます。製作できるのは、依頼者が権利を持つもの、または権利者の許諾があるものに限ります。判断に迷うときは弁理士・弁護士に相談してください。

カフスは左右一組で数える

カフスは両袖に着けるため、1人分で装飾部が2個必要です。発注書に「100個」とだけ書くと、組か個かで数量が倍ずれます。

数え方 50人に配る場合 使う場面
組(ペア) 50組 ケース・包装・配布の数
個(片側) 100個 鋳造・仕上げ・検品の数

見積もり依頼や稟議書には「50組(100個)」と両方を書きます。社内と製作側の行き違いを防げます。

デザイン面では、次の点も決めておきます。

  • 左右を同じ形にするか、鏡写しの形にするか
  • 文字を両側に入れるか、片側だけにするか
  • 片方をなくした人向けに、予備を何個持っておくか

鏡写しにすると、原型が2種類必要になる場合があります。文字を鏡写しにすると裏返しで読めないため、片側にロゴ、もう片側に周年の数字のように分ける方法もあります。

名入れ・個別刻印の入れ方

名入れは「全員共通の文字」と「1本ごとに違う文字」で、入れ方が変わります。

種類 入れ方
共通刻印 社名、「20th ANNIVERSARY」、年号 原型に入れ、鋳造で全数に出す
個別刻印 受賞者名、イニシャル、勤続年数 鋳造後に1本ずつ入れる

共通刻印は原型に入れるため、図柄を作る初期作業は全数で共有できます。ただし鋳造・研磨と、文字がきれいに出ているかの確認は、数量分必要です。

個別刻印は、刻印そのものも1本ずつの作業です。そのぶん数量に比例して時間がかかります。

個別刻印で起きやすい失敗は次のとおりです。

  • 旧字体やローマ字の綴りの表記ゆれが、直前に見つかる
  • 退職や異動で、名簿の差し替えが発生する
  • 刻印面が小さく、フルネームが入りきらない

タイピンやカフスの裏面は面積が限られます。イニシャルや番号にとどめるなど、入る文字数から逆算します。

名簿は刻印の着手前に確定させ、最終版を1つに固定します。刻印の手法の違いはアクセサリー刻印の種類で比較しています。

配布日から逆算する日程と承認

式典や表彰の日付は動かせません。日程は配布日からさかのぼって組み立てます。

  1. 配布日(式典・表彰の当日)
  2. 社内への納品、包装、名簿との照合
  3. 製作(仕様確定後およそ4週間。数量・刻印・メッキ・連休で前後)
  4. 試作の確認・社内監修と仕様の確定
  5. 試作の製作
  6. 社内承認(稟議)
  7. 見積もりとデザインの相談

「およそ4週間」は、仕様が確定してから納品までの目安です。試作を作る期間と、社内で試作を確認・監修する期間は、これとは別にかかります。

試作をするか、何を確かめるか、確認に何日取るかは見積もりの段階で決めます。これで案件全体の日程を逆算できます。

製作期間に、デザイン検討や社内承認の時間は含まれません。稟議の決裁待ちがいちばん読みにくい工程なので、最初に決裁の日程を確認します。

稟議書には、仕様を項目ごとにまとめておくと通りやすくなります。全社員用と表彰用を作るなら、製品ごとに仕様を分けて書きます。

項目 全社員用(記入例) 表彰用(記入例)
品目 ネクタイピン(クリップ式) カフス(回転式)
数量 120本 ※予備含む 30組(60個)※予備含む
地金・仕上げ シルバー925、いぶし、メッキなし K18、鏡面
装飾部 社章の簡略版を凹凸で表現 片側に社章の簡略版、片側に「20th」
刻印 表に共通「20th」 裏に受賞者イニシャル
納品希望日 式典の2週間前(包装・照合の期間を確保) 全社員用と同じ
見積もり 数量を変えた3パターンで比較 数量を変えた3パターンで比較

下書きには発注仕様シートが使えます。イベントに合わせた段取りはイベントから逆算するグッズ製作スケジュールも参考にしてください。

まとめ

  • 装飾部は鋳造でオリジナルに作り、留め金具は既製部品から選ぶ
  • 周年・表彰・日常使いの目的と、配る相手のシャツやネクタイの有無を決めてから仕様を詰める
  • 小さな面のロゴは簡略版が必要になりやすいため、改変の可否を確認し、試作で細部を確かめる
  • カフスは「50組(100個)」のように組と個を併記し、全社員用と表彰用は仕様を分けて書く
  • 個別刻印は名簿の確定が前提で、日程は配布日・試作の確認・稟議から逆算する

配布人数と配布日だけ決まっている段階でも、無料相談で仕様の組み立てからお手伝いします。

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