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アクセサリーの量産|100・300・1000個で考える発注設計

アクセサリーの量産単価は、総数だけでなく仕様別の内訳でも変わります。原型や型を共用できるか、どの工程が仕様ごとに分かれるかで、同じ総数でも費用が違ってきます。

数量を増やして1個あたりが下がる理由は、原型・型の費用を総数で割れることと、大量発注では1個あたりの利益を抑えやすいことの2つです。地金と、研磨・メッキ・検品は1個ずつかかるため、数量を増やしても1個あたりは変わりません。

迷ったら、100・300・1000個のように3つの数量で、条件を揃えた見積もりを並べてもらうのが近道です。

数量を決める前に「仕様違いの内訳」を数える

見積もりは、総数に加えて「何種類に分かれるか」でも変わります。同じ1000個でも、1種類で1000個と、10種類で100個ずつでは条件が大きく違います。

ただし、仕様が分かれても、原型・型を共用できる場合があります。どの工程が仕様ごとに分かれるかまで見ると、費用の差が読みやすくなります。

仕様違いとは、在庫を分けて管理する最小単位のことです。色・サイズ・デザインのどれか1つでも違えば、別の仕様として数えます。

違いの種類 型への影響 工程への影響
デザイン違い(文字・モチーフ) 形・文字を原型に組み込むなら原型と型が増える 鋳造から別々に進む
サイズ違い(リングの号数など) 号数の幅によっては型が増える 仕上げ・検品の区分が増える
色違い(メッキの色) 形が同じなら型を共用しやすい メッキの段取りが色ごとに分かれる

文字違いでも、共通の本体に後から加工して文字を入れる方法なら、型を共用できることがあります。仕上がりや工程が変わるため、方法ごとに判断します。

型が増えやすいのはデザイン違い、増えにくいのは色違いです。展開を広げるなら、まず色で増やし、デザインは売れ行きを見てから足す順番が組みやすくなります。

数量で下がる費用と下がらない費用

量産しても、すべての費用が同じ割合で下がるわけではありません。費用ごとに数量との関係を分けて見ます。

費用 数量を増やすと 理由
原型製作 1個あたりが下がる 1回だけ作り、総数で割れる
ゴム型 1個あたりが下がる 同じ型から蝋の複製を繰り返し取れる
鋳造 数量による単価の変化は小さい 複数個をまとめて流し込むが、単価が下がる主な理由ではない
地金 ほぼ下がらない 重さぶんの金属が1個ずつ必要
バリ取り・研磨 下がりにくい 1個ずつの手作業
メッキ 変わらない 1個ずつ処理する
石留め 下がりにくい 1石ずつの手作業
検品 下がりにくい 全数を1個ずつ確認する

ゴム型は、原型から蝋の複製を量産するための型です。表のとおり下がらない費用が残るため、単価の下がり方は数量が増えるほど緩やかになります。

重い商品や工程が多い商品ほど、量産しても単価が下がりにくいと考えてください。

表の費用とは別に、単価が下がるもう1つの理由が利益の取り方です。大量発注では、1個あたりの利益を抑えた見積もりにしやすくなります。

  • 原型・型の費用:総数で割るため、数量が増えるほど1個あたりが下がる
  • 1個あたりの利益:大量発注では抑えやすく、そのぶん単価が下がる
  • メッキ・研磨・検品:1個ずつの工程のため、数量が増えても1個あたりは変わらない

よくある失敗は、10個の見積もりを割り算して量産単価を想像することです。少数の見積もりは初期費用の比率が高く、実態と合いません。

また、ゴム型は使うほど傷む消耗品です。数量が多いと、途中で型を作り直す費用が入る場合があります。費用の組み立ては料金の考え方で扱っています。

100・300・1000個で比べるときに揃える条件

数量を比べる目的は、単価がどこで下げ止まるかを知ることです。そのためには、数量以外の条件を揃えます。

  • 重量:データの段階は同じ条件で出した推定重量、試作後は実測重量を基準にする
  • 地金とメッキ:素材、色、部分メッキの有無
  • 仕上げと石:鏡面・マットの別、石の数と留め方
  • 付属パーツ:ピアスポストや丸カンなど既製部品の種類
  • 検品と梱包:合格の基準、個包装の有無
  • 納品の形:一括か、分けて納めるか

条件がずれると、数量の差か仕様の差か区別できません。地金は相場で動くので、見積もりの日付も揃えて比べます。

推定重量と実測重量が混ざった見積もり同士は、そのまま比べられません。試作後に重量が変わったら、同じ実測値で出し直してもらいます。

納期も数量で変わります。当社の目安は仕様確定後およそ4週間ですが、数量が多いほど延びやすいため、希望日は数量ごとに確認します。量産の受け方は量産のページにまとめています。

総数を分けるときの考え方(色違い・サイズ違い)

総数が決まったら、次は仕様ごとの配分です。均等に割るのが簡単ですが、売れ行きの差がそのまま在庫の偏りになります。

分け方 向いている場面 注意点
均等に割る 人気が読めない新作 売れない色が残りやすい
定番を厚く、他を薄く 過去の販売データがある 薄い仕様は1個あたりが割高
定番だけ多め、他は少数で追加 色やサイズの展開が多い 追加分は単価が高くなりやすい

配分は、次の3点で判断します。

  • 過去の販売や予約で、仕様ごとの比率が分かっているか
  • 売り切れたとき、追加生産が販売期間に間に合うか
  • 1仕様あたりが少なすぎて、製作原価の目標を超えないか

製作原価の目標は、上代から販売手数料・包装・配送費と、必要な利益を差し引いて出します。単価が上代より安いだけでは、採算が合うとは言えません。

サイズ違いは、特に数を分けすぎやすい項目です。リングは号数を絞る、ネックレスはアジャスターで長さを調整するなど、仕様を増やさずに対応する方法を先に検討します。

3つの数量で見積もりを依頼する書き方

依頼文には、3つの数量と一緒に内訳の割り方も書きます。内訳がないと、1仕様だけの見積もりとして計算されることがあります。

記入例です。

  • 商品:真鍮のロゴチャーム(片面)
  • 形と重さ:データあり、推定重量で見積もり、試作後に実測で見直したい
  • 仕上げ:鏡面、K18メッキとロジウムメッキの2色
  • 数量:100個/300個/1000個の3パターン
  • 内訳:どの数量もK18メッキ6割、ロジウムメッキ4割
  • 納品:一括、希望日は○月末
  • 出し方:初期費用、1個あたりの単価、総額を並べて
  • 単価の条件:初期費用を含むか、梱包や送料が入るかを明記して

初期費用を含むかが書かれていないと、比べるときに二重に足したり、足し忘れたりしがちです。総額と含む範囲を揃えて並べると、数量ごとの差が正しく読めます。

決まっていない項目は空欄にせず「未定」「AかB」と書くと、候補ごとの差も返ってきやすくなります。

少数の見積もりを取ったあとで、量産時の単価を知りたくなることもあります。その場合も、仕様はそのままに数量だけ変えて依頼すると比べられます。項目の整理には発注仕様シートが使えます。

追加生産を見越した型と仕様の残し方

量産では、売れた仕様だけを追加することがよくあります。初回のうちに、次も同じ品質で頼める材料を残しておきます。

  • 仕様書:地金、重量、メッキの色、仕上げ、刻印の位置
  • 承認した見本:合格の基準になる現物を1個保管
  • 原型データ:自社で支給した .3dm や .stl は保存し、制作側で作るデータは提供の可否と条件を事前に確認
  • 部品の種類:ポストや丸カンなど既製部品の指定
  • 配分の実績:仕様ごとの販売数と売り切れた時期

当社では原型を最終発注から6か月保管し、処分前にご連絡します。希望があれば、原型を返却することもできます。

ゴム型は消耗品で、原型とは扱いが別です。劣化していれば、原型から作り直す費用がかかることがあります。

追加までの間隔が空きそうなら、原型の保管期限を発注時に確認しておくと安心です。条件は取引条件に、再発注で費用がどう変わるかは追加生産・再発注の基礎で詳しく扱っています。

まとめ

  • 費用は総数に加え、仕様別の内訳と、共用できる原型・型で変わる
  • 単価が下がる理由は、原型・型の費用を総数で割れることと、大量発注で1個あたりの利益を抑えやすいこと。地金とメッキなど1個ずつの工程は下がらない
  • 3つの数量は、重量の基準・仕上げ・内訳・日付を揃えて比べる
  • 配分は販売データ、追加生産の間に合い方、製作原価の目標で決める
  • 追加に備えて、仕様書・見本・データを残し、原型の保管期限を確認する

数量が決めきれない段階でも、候補の数量を並べるところから無料相談で一緒に整理できます。

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