インフルエンサーのジュエリーブランド立ち上げ方|グッズとの違い
インフルエンサーがジュエリーブランドを立ち上げるときは、次の順で進めると迷いにくくなります。
- 誰が、どんな場面で着けるかを決める
- 第一弾のアイテムを少数に絞る
- 試作で質感・サイズ・着け心地を確認する
- 上代・数量・販売日を決めて売り出す
すでに見てくれる人がいる状態でブランドを始めるのは、ゼロから始めるのとは条件が違います。
告知すれば届く。これは大きなアドバンテージです。
ただしそのぶん、最初の1つで印象が決まります。期待して買った人が「思っていた物と違う」と感じると、次が続きません。
グッズとブランドは、設計が別物です
同じ物を作っていても、重心の置き方が違います。
| グッズ | ブランド | |
|---|---|---|
| 販売期間 | イベントや企画に合わせることが多い | 継続して売る前提 |
| 商品の更新 | 企画ごとに作り切ることが多い | シリーズとして足していく |
| 購入動機の比重 | 応援・記念が大きい | 物として欲しいが大きい |
考え方の目安は、あなたの名前を外しても欲しくなるかです。
グッズは名前や企画が価値の中心になりやすいものです。ブランドは、名前を知らない人が見ても欲しくなる必要があります。
とはいえ、継続して売るグッズもあり、グッズにも品質と一貫性は欠かせません。発信者本人の世界観が、ブランドの価値になることもあります。
どちらが上という話ではありません。ただ、同じつもりで作ると噛み合わないため、ここでは継続して商品を出すブランドを前提に進めます。
第一弾に何を選ぶか
続けることを前提にすると、選び方が変わります。
- 毎日着けられるもの(登場回数が多いほど広まる)
- サイズの制約が少ないもの(在庫が読みやすい)
- 第二弾につなげられるもの(同じ世界観で展開できる)
リングは慎重にという点だけ補足します。
サイズ展開が必要になるため、在庫が分散します。第一弾としてはネックレスやブレスレットのほうが扱いやすい場合があります。
ただしブレスレットも、長さや調整幅、留め具の形式で在庫の分け方が変わります。長さを調整できる形なら、サイズ違いを抱えにくくなります。
アイテムごとの注意点は、ネックレスの製作とブレスレットの製作にまとめています。
在庫を抱えずに始める
フォロワー数と販売数は比例しません。ここは慎重に見るべきです。
見てくれる人が多くても、買う人はその一部です。初回から数を作りすぎると、在庫が残るリスクが高まります。
しかも身に着けるものは、サイズや好みの影響を受けます。動画は全員が見られますが、リングは指の太さが合う人しか買えません。
届く人数と、買える人数は別だと考えておくほうが安全です。
- 初回の数量は、販売見込みと初回に支払える金額の両方から決める
- 型を保管しておき、売れたら追加生産する
- 反応を見てから、素材違いや色違いを足す
製作費は売上が入る前に必要になります。数を絞るほど1個あたりの費用は上がるため、数量を変えた見積もりで比べると判断しやすくなります。
型を再利用できれば、追加生産では原型を作り直す費用を抑えやすくなります。
ただし原型の保管は最終発注から6か月で、ゴム型は使ううちに劣化します。作り直しになると費用がかかるため、条件は品質と進め方で確認しておきましょう。
初回に賭ける金額を小さくしておけば、売れ行きが想定を下回っても立て直しやすくなります。詳しくはグッズの在庫リスクを抑える作り方をご覧ください。
続けるために、最初に決めておくこと
ここが単発との一番の差です。
| 決めておくこと | 決めないとどうなるか |
|---|---|
| ブランド名と表記 | 第二弾で名前が揺れる |
| 上代(販売価格) | 後から仕様を削ることになり、質感がぶれる |
| 素材の方針 | 価格帯がばらつく |
| 刻印の位置と内容 | シリーズで統一感が出ない |
| 初回の数量 | 見積もりを比べられず、判断が遅れる |
| 試作を確認する人 | 承認が止まり、販売日に間に合わない |
| 希望販売日 | 告知と製作の日程が噛み合わない |
| 名前・ロゴの使用許諾 | 確認が後回しになり、製作を止めることになる |
刻印は地味ですが効きます。
同じ位置に同じ表記が入っているだけで、並べたときにシリーズとして見えます。1点目のときに決めておくと、後がラクです。
上代は先に決めて、そこから逆算して仕様を組みます。そうすると、シリーズを重ねても価格帯がそろいます。
素材の方針も同じです。第一弾と第二弾で素材が変わると、質感や価格帯の違いに買った人は気づきます。
価格を調整したいときは、素材だけで決めないほうが筋が通ります。重量・素材・数量・工程の数のどれを動かすかで、見積もりは変わります。
リングをチャームに変えるなど、アイテムを変える場合も同じです。変更後の見積もりを並べて比べてから決めましょう。
試作を所属事務所や共同運営者が確認する場合は、その期間も日程に含めます。デザイン検討や社内承認の期間は、製作期間とは別に見込んでおきます。
タレント名・ロゴ・キャラクターを使う場合は、依頼者が権利を持つもの、または権利者の許諾があるものに限ります。契約や商標の判断は、弁理士・弁護士にご相談ください。
ブランドとしての進め方はブランド立ち上げにまとめています。上の項目を書き出すときは発注仕様シートが使えます。
ブランド名の考え方はジュエリーブランドのネーミングで扱っています。
売れたあとを想定しておく
想定より売れた場合に、何が起きるかも考えておきます。
- 追加生産にどれくらいかかるか(原型を作り直さずに済む場合もあるが、日数は都度確認する)
- 品切れ中の告知をどうするか
- 次のロットで仕様を変えるか、同じにするか
売り切れは悪いことではありません。
ただ、待たせる期間が読めないと信頼を損ないます。追加にかかる日数だけは先に確認しておくと、告知に困りません。
目安として、新規の製作は仕様確定後およそ4週間です。数量や石留め・メッキ、連休などで前後します。
「再販します」とだけ言って時期を言わないのが、いちばん熱を逃がします。
日付を言えるなら言う。言えないなら、いつ分かるかを言う。これだけで受け取られ方が変わります。
まとめ
- グッズは応援・記念で、ブランドは物として欲しいという理由で買われる比重が大きい
- 第一弾は毎日着けられて、サイズの制約が少ないものが扱いやすい
- 初回の数量は、販売見込みと初回に支払える金額から決める
- 型を再利用できれば追加生産の費用を抑えやすいが、保管期限と型の劣化に注意する
- ブランド名・上代・素材方針・刻印・試作確認者・販売日・許諾は、1点目の時点で決めておく
構想の段階からご相談いただけます。作りたいもののイメージといつ出したいかをお問い合わせからお知らせいただければ、第一弾に向くアイテムからご提案します。
イベントや配信に合わせたグッズとして作る場合の考え方は、グッズ製作のページにまとめています。